カレッジマネジメント237号
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学校DATA36テクノロジーを生かして価値を生み出す人に横浜市にある英理女子学院高等学校は、2019年度に新学部「iグローバル部」を設立、重点分野にICT&理数リテラシーを掲げた教育に乗り出した(図1)。また、既存の4つの専門学科(普通・商業・情報・家庭)についても「キャリア部」の4コースに改編(図2)、情報デザインコースでは、アートとテクノロジーを組み合わせた学習を推し進めている。学校設備も刷新。IoTを提唱した坂村 健博士の監修のもと、全館Wi-Fi対応、プロジェクター完備、電子工作スペースも備えた学習環境を整えた。改革を主導したのが、現理事長・校長の髙木暁子氏だ。かつては大手メーカーでマーケティングを担当し、ロンドンのビジネススクールでMBA取得後、教育界に飛び込んだ経歴を持つ。ビジネスの現場と比較して「学校教育はこのままでいいのか」と常々感じていたという。その思いを加速させたのが、2010年代半ばに、のちに学習環境の監修を依頼する坂村氏の講演を聴いたことだった。「IoTやAIが世の中に与えるインパクトを分かりやすく話して下さって、目から鱗が落ちるほど衝撃を受けたのです。いつでもどこでも世界中の人やモノとつながることのできる情報社会は、結婚や出産等ライフステージごとに環境が変わりやすい女性の生き方の可能性も広げます。115年前、曾祖母の髙木 君は、福沢諭吉の話に感銘を受け、『社会で信頼され、役立つ女性』を育てようと本校を作りました。私も坂村先生のお話をお聴きし、これからの世の中で女性が活躍するための教育というのを、本気で考えるタイミングがきたように感じたのです。そこから一連の改革の準備を進めていきました」。目指すのはICTスキルの習得だけではない。教科授業、課外活動、探究活動を組み合わせ、テクノロジーを使った「創造」「課題解決」のための思考力や行動力も育む。「デジタル製品をただ使う『消費者』になってほしいわけではないのです。どんな分野でもいいので、自分達の課題解決のために、デジタルツールを自ら作って使ったり、既理事長・校長髙木暁子 氏進学教養コースビジネスデザインコース情報デザインコースライフデザインコース■生徒数(2023年度)536名(女子のみ)■進路状況(2022年度)大学114名、短大12名、専門学校27名、就職2名、進学準備等11名情報科古山智基 氏図1 ⅰグローバル部の教育方針図2 英理女子学院高等学校の学部制Report●高校事例進化する高校のデジタル人材育成情報社会の一層の進展を見据え、その社会で求められるデジタル人材の育成を推進中の事例をご紹介したい。その教育において鍵となるのは、「デジタルを何のためにどう使うのか」という意志を育むことのようである。高い教養・知性グローバルコミュニケーションICT&理数リテラシーⅰグローバル部キャリア部CASE1アートや創作でなじんだテクノロジーを社会課題の解決にも生かすデジタル人材に英理女子学院高等学校

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