カレッジマネジメント237号
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37若者はデジタルツールを活用したがっている総力特集 未来をつくるデジタル人材と教育存のツールを目的に応じて使ったりして、『新しい価値を生み出す人』になってほしいと思っています」。情報社会やデジタル社会に対する「生徒の受け止め方が変わってきた」とも髙木氏は感じている。一昔前、同校の「情報科」を志望する女子は限られていた。しかし現在の「情報デザインコース」はキャリア部の中でも人気のコースであり、新学部「iグローバル部」にも意欲的な女子が集まるようになった。背景には、同校が「アートやビジュアル作品等、女子が興味を持ちやすい分野にテクノロジーが役立つことを示した」こともある。加えて、今の生徒達は、授業授業2022年度から必履修科目となった情報Ⅰでは、プログラミング等の「情報技術」、情報を安全に責任を持って使うための「情報モラル」、効果的なコミュニケーションを行うための「情報デザイン」等を学ぶ。授業を受け持つ古山智基氏は、教科書に準じつつ、今の時事問題について生徒がディベートやレポート作成をする活動も導入(ロシア・ウクライナ戦争のサイバー集団の活動の是非を議論する等)。「世の中に出たときに必要なことを学ぶ」授業を心がけている。英理女子学院の探究活動のゴールは「自分なりの行動で1cmでもいいから世の中を変えること」。生徒は3年間の活動で、自ら見据えた社会課題の解決のために、デジタル作品の創造や、デジタルツールの活用を行う。啓発ポスターを自作し、街中に掲示してもらえるよう企業や官公庁に働きかけたり、海外の教育支援のクラウドファンディングを立ち上げ、失敗を乗り越え成功させたり、子宮頸がんワクチン啓発のWebサイトを自作したりする、というように。情報Ⅰのディベートの授業社会に働きかけるポスターやサイトそうして自分の興味のある分野でテクノロジーになじむほど、日常生活や社会課題解決にも、デジタルツールをどんどん活用していこうとする素地を備えていることが分かってきたのだ。「特に女子生徒には『情報や体験の差し出し方』が重要なのだと感じています。最近では大学の情報・理数系でも女子生徒の枠を広げる動きがみられますが、従来型の発信のままでは、生徒の目にとまりづらいかもしれません。それだけに、高大連携等で女子生徒がデジタル分野にワクワクするような情報や体験を増やし、一緒に間口を広げていくことができればありがたく思います」。授業課外プログラミング講座の様子キャリア部情報デザインコースでは、「情報テクノロジー」や学校設定科目「情報デザイン」の授業で、プログラミングやデザインソフトの使い方を学びながら、アートとテクノロジーを融合させた作品制作に挑む。誰に何を伝えるかまで意識して、パッケージデザイン、ポスター、スタンプ、動画、ゲーム等を作るのだ。目標は、フリーランスでも就職先でも生かせる創作スキルの習得。3年次には作品を1冊の「ポートフォリオ」にまとめ、大学入試にも活用する。希望制のプログラミング講座では、オンラインで大学の先生や大学生からアドバイスをもらいながら、数週間にわたり、生徒達がビジュアルプログラミングの作品づくりに挑戦。アニメーション部の生徒は、外部講師によるイラスト作成講座でも学び、ワープロ部の生徒は、文書作成ソフトによるチラシづくりも行っている。放課後サイエンスクラブの生徒達は、製パン会社による小麦栽培研究プログラムに参加、小麦を育てながらデータ分析にもいそしんでいる。生徒が自作・販売までしたスタンプ(文/松井大助)情報Ⅰで高めるリテラシー思考力、コミュニケーション力探究活動で、社会課題をデジタル技術も使って解決情報系科目で作品づくり手に職となるスキルを磨く有志の講座やクラブ活動で好きな創造や探究にのめりこむ

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