カレッジマネジメント237号
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特別講座STEAM学校DATASSH担当新 友一郎 氏38好奇心と、挑戦する勇気を学びの起点にデジタル社会だから可能な「思考」や「挑戦」兵庫県立加古川東高等学校は、普通科と理数科で編成された学校だ。2006年度から現在まで、国のSSH(スーパーサイエンスハイスクール)指定校として、科学技術系人材の育成に注力。2020年度から2022年度にわたり、兵庫県のSTEAM教育実践モデル校として、Science、Technology、 Engineering、 Art、Mathematicsを組み合わせ、生徒が課題解決や価値創造に挑む教育も推進。そうした学習を推し進めるための環境として、高性能パソコン、3Dプリンタ、レーザー加工機、VRゴーグル、ドローン、プログラミング教材等も校内に取り揃えた。その充実したデジタル環境の中で、同校では、特に生徒のどんな素養を高めることを目指してきたのだろう。STEAM教育の柱に据えたのが「好奇心」「関与力」「課題解決力」の向上だ(図1)。なかでも重視したのが「好奇心」だという。SSH担当で、STEAM教育にも関わってきた新 友一郎氏は、その理由を次のように語る。「本校は2018年に育てるべき生徒像を設定し、『将来において「正解」のない社会を切り拓く力』の育成を目指してきました。その中で、生徒に今一番足りないのは『新しいことに挑戦する勇気』ではないかという課題感を持ったのです。だから、ワクワクして自ら新しいことに踏み出すような『好奇心』を根底として育てようと」。SSHとSTEAM教育の主な活動をまとめたのが図2となる。教科横断型のSTEAM教育は、通常授業でも行うが、軸となるのが夏休みの特別講座だ。企業や大学、OBと連携し、2020年度に13講座から始め、2022年度は27講座を実施。AI研究、電子工作、デジタル作品づくり、行動分析、地域デザイン等幅広い内容で、希望者が好きなだけ受講できる。そして自分が興味を持った分野で、デジタルツールやデータサイエンスにもふれる。こうした講座は、「理系の生徒はもちろん、普通科の文系の生徒により大きな変容をもたらした」と新氏は言う。「例えば地域デザインの講座では、ビッグデータを分析して加古川市の課題を発見し、政策提言することに挑みました。すると、『データを活用して根拠あるアイデアを出せた』のが面白かったそうで、以降も生徒達が勝手に動き(大会・公開講座・留学・自治体との協働・ボランティア等)3年2年1年■生徒数(2023年度)955名(男子435名、女子520名)■進路状況(2022年度)大学274名、短大0名、専門学校1名、就職1名、進学準備等35名外との関わり探究担当傍士知哉 氏教育企画部長鵜飼義人 氏STEAM担当谷口正明 氏図1 STEAM教育の目標図2 課題研究・探究活動(全員)と STEAM特別講座(希望者)の位置づけ課題研究Ⅱ課題研究Ⅰ課題研究基礎理数科探究学習に必要なスキルを育成する通常授業探究Ⅲ探究Ⅱ探究Ⅰ普通科CASE2情報の扱い方やツールの使い方を学べる環境で生徒の好奇心を刺激、「社会を切り拓く力」を育む兵庫県立加古川東高等学校

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