カレッジマネジメント237号
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1 はじめに2 学習指導要領改訂の背景40Contribution●寄稿日本の初等・中等教育は、学習指導要領の改訂によって大きく変化する。高校では2022年度から、新しい学習指導要領が実施されている。これが意味することは、2022年度の1年生が使う教科書も学習内容も、それ以前のものとは異なるということである。今回の学習指導要領改訂では、小学校から統計教育が強化されたり、プログラミングが必修として導入されたりする等、これからの時代に必要な資質・能力を育むための大表1 小学校からの学習の積み上げ(現行学習指導要領を基に筆者作成)情報システムのプログラミング問題解決のためのプログラミングコンピュータの仕組みモデル化・シミュレーション問題解決のための簡単なプログラミング計測・制御ネットワーク&双方向教科のなかで体験するプログラミング仕組みを知り、活用して可能性を広げるきな変化があった。そのなかでも、高校の情報科は最も大きく変わったものの1つといってよいだろう。私は、情報科の教科調査官として、新しい情報科の学習指導要領の取りまとめを担当した。本稿では、学習指導要領改訂の背景、従前のものとの違い、2022年春からの実施状況や課題、大学入試や大学の教育への影響について述べる。学習指導要領は、大体10年に1度改訂される。その間の時代変化を反映するとともに、次の10年に必要なものを見石川県の公立学校に教諭として勤務したあと、石川県教育委員会を経て文部科学省に高等学校情報科担当の教科調査官として勤務。新学習指導要領を取りまとめたあと、情報Ⅰ・情報Ⅱの教員研修用教材をまとめる。情報活用能力の育成、GIGAスクール構想などの情報教育の施策に携わる。京都精華大学メディア表現学部 教授データサイエンス※数学Bと連携データの活用※数学Ⅰと連携簡単な統計統計的考え方─高校の学習指導要領改訂で何が変わったのか情報Ⅱ情報デザインを生かしたコンテンツ作成情報デザインの方法と考え方問題を発見・解決する手段として活用情報Ⅰ中学校技術・家庭科等中学校の各教科等小学校国語、図画工作等小学校の各教科等情報デザインプログラミング統計に関連した学び鹿野利春新しい情報科の目指すもの

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