カレッジマネジメント237号
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5 高校情報科の内容の変化42旧学習指導要領では、「社会と情報」「情報の科学」の2科目から1科目を選択して履修する形であったが、現行学習指導要領では、この2科目を「情報Ⅰ」に統合するとともに、発展的な選択科目として「情報Ⅱ」を設置した。これらの変化を図2に示す。「情報Ⅰ」は、高校生全員が履修するので、その内容はこれからの国民的素養といってもよいだろう。「社会と情報」「情報の科学」に共通した内容は、「(1)情報社会の問題解決」に、「社会と情報」に特有な内容は「(2)コミュニケーションと情報デザイン」に、「情報の科学」に特有な内容は「(3)コンピュータとプログラミング」に引き継がれたと考えると分かりやすい。「(4)情報通信ネットワー社会と情報情報の科学社会情報Ⅱ・ 情報の表現、 コミュニケーション・ コンピュータの活用、 情報の管理・情報通信ネットワーク・情報社会、情報技術・問題解決・情報モラル・情報セキュリティー共通地理情報システム情報収集、統計データサイエンス各教科等の指導におけるICTの効果的な活用に関する参考資料https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/mext_00915.htmlクとデータの活用」では、小学校から強化されている統計が、数学科と情報科が連携することにより実践的にデータを活用する形になり、「情報Ⅱ」では、これがデータサイエンスに発展する。情報科の目標は、図3に示すように「問題の発見・解決」であり、「情報デザイン」「プログラミング」「データの活用」は、そのためのツールである。この構造は、「情報Ⅱ」でも変わらない。情報科は、情報活用能力を育む要となる教科であり、単に技能を身につけるだけではなく、「問題の発見・解決」ができる資質・能力を身につける教科である。ここで身につけた資質・能力は、学習の基盤となるものとして、他教科等でも生かされる。カリキュラム・マネジメントを通じた他教科等との連携の例を図4に示す。外国語総合的な探究(理数探究)情報Ⅰコミュニケーションコンピュータネットワーク情報モラルに関連した学びも重視情報収集、交流・遠隔素材、写真、イラスト問題の発見・解決情報デザインモデル化とシミュレーション図2 高校情報科の内容の変化 (学習指導要領改訂を踏まえて筆者作成)図4 情報科と他教科等とのカリキュラム・マネジメント図3 情報科の構造情報Ⅱ情報Ⅰ国語数学B公共発展的な選択科目国民的素養全員が履修(1)情報社会の問題解決(2)コミュニケーションと情報デザイン(3)コンピュータとプログラミング(4)情報通信ネットワークとデータの活用※下線部は新しい内容を多く含む情報収集、習得蓄積、発表、深化法律・モラル問題の発見・解決数学理科目標二次関数、複雑なグラフ自学自習プログラミングデータの活用情報モラル等データの活用情報デザインプログラミングデータの活用保健体育、家庭芸術、特別活動数学Ⅰツール実験データ処理計測・制御シミュレーション

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