カレッジマネジメント237号
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46事業とITをつなぐ社会人向け教育各受講生に応じたプログラムを提供青山学院大学では、情報システムを企画・開発・運営できる人材の育成を目指す社会人向け教育プログラム「ADPISA(Aoyama Development Program for Information Systems Architect)」を開講中だ。これは2019年から始まったもので、2021年にはコロナ禍での失職等を経て就労を目指す女性にIT教育を施す「ADPISA-F」も実施。現在はIT初心者向けに基礎的な知識から教える「ADPISA-E」、一定以上のIT知識を持つ中級者向けの「ADPISA-M」、高度IT人材向けの「ADPISA-H」という3本のプログラムが用意されている。開講期間はいずれも3~4カ月程度。週末に講義が行われるため、仕事を持つ社会人が学びを継続しやすい。同学社会情報学部学部長でADPISAのリーダーを務める宮川裕之氏は、このプログラムの狙いを「ビジネスとデジタルを融合できる人材の育成」だと語る。「今は多くの企業がDXを進めていますが、いくら新しいシステムを導入しても、それだけで価値を生み出すことはできません。新たな価値はあくまで、人間の営みが生み出すもの女性失職者女性転職希望者女性未就労者●ネットワーク基礎とLAN構築実習●アルゴリズムとプログラミングの基礎なのです。そこでADPISAでは、『経営とITをつなげる教育』を目指しています。ビジネスをよく知っているがIT知識が乏しい人に、ITで実現できることを教える(=ADPISA-E)。あるいは、IT知識はあるが組織や経営に関する知識が薄い方に、ITでビジネスを変えるやり方を教える(=ADPISA-M、ADPISA-H)のです」(宮川氏)ADPISA受講生のスキルや能力にはかなりのバラツキがある。受講動機も、就労・転職・スキルアップと様々だ。そこでADPISAでは、多様な受講生に合わせた仕組みを用意していると、ADPISAプロジェクト教授で、ADPISA-Eのスーパーバイザーを務める山口理栄氏は胸を張る。「まず運営側から、『一人ひとりバックグラウンドや経験、社会情報学部 学部長教授ADPISAプロジェクト教授宮川裕之 氏社会情報学研究科山口理栄 氏図1 ADPISA-FのプログラムCase Studies●社会人学習事例進化し続けるデジタル社会で新たな知を獲得するための社会人学習デジタル社会においては、社会変化に対応して学習を継続することが不可欠である。ここでは、教育機関から社会に出たのちに、求められるデジタル人材となるための学び直し、学び重ねるための高等教育の取り組みについてリポートする。マインド醸成ITの面白さ発見女性向けライフデザイン科目群(1)IT実践力強化科目群(専門家チューターによる継続的なキャリアコンサルティング)女性向けのITリカレント教育プログラムADPISA-FITの基礎知識スキルの修得IT基礎科目群IT職種対応科目群●Webデザイナー向け科目●Javaプログラマー向け科目●Pythonプログラマー向け科目●システムエンジニア向け科目●クラウドサーバー運用者向け科目キャリアプラン生成女性向けライフデザイン科目群(2)生涯的な学びの継続IT技術者として就職、転職より高度な学びを自律的に継続できるマインド大学院ADPISACASE1多様なバックグラウンドの受講生に合わせて学習内容を最適化した履修証明プログラム青山学院大学 社会情報学部 ADPISA

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