カレッジマネジメント237号
49/79

─Newグローバル消費インテリジェンス(GCI)   Web工学とビジネスモデルNew   ディープラーニング基礎NewAI先端テクノロジー   近未来金融システム創成プログラミングPython基礎(6月開催)   アルゴリズム(プログラミング応用) NewNewNew49強いリーダーと、教員の負担を軽くする仕組み総力特集 未来をつくるデジタル人材と教育初年度に開いたのは4講座だったが、2023年度春には6講座に増え、秋以降もさらに充実させる予定だ。人工知能やアントレプレナーシップ、5G、プログラミング言語のPython等、企業現場でニーズの高いテーマが選ばれている。意外と少なく、講座の存在意義を再認識しました。一方で、課題も少なからずあります。講座の動画をただ見るだけだと、受講生のモチベーションはどうしても上がりにくい。そこで、受講生同士が交流する仕掛けを作る等、リアルなコミュニケーションの設計法については、改善の余地がありそうです」(松尾氏)なお、メタバース工学部では全てのコンテンツをメタバース上で提供するわけではない。特にリスキリング講座では、ほとんどがオンライン授業で提供されている。それでも十分な教育効果を得られると、工学系研究科 物理工学専攻 教授の齊藤英治氏は語る。「メタバース空間にはいくつかの利点がありますし、ジュニア講座ではメタバースを積極利用することで若者の興味を引くことができています。一方、リスキリング講座のターゲットや内容からすれば、あえてメタバース上で提供する必要はないと考えました。メタバースはあくまで手段。今は、どういう場合に使えば効果的なのか試行錯誤しながら講座のロールモデルを模索している段階です」(齊藤氏)メタバース工学部の構想が本格化したのは2022年初春で、それからわずか半年ほどで開講にこぎ着けた。そのスピード感を生み出した原動力は、前大学院工学系研究科長・工学部長としてプロジェクトを引っ張った染谷氏のリーダーシップだったという。「染谷先生には、2023年3月に任期を終えるまでにメタバース工学部を設立し、社会にインパクトを与えて変革に4月開講講座つなげたいという強い思いがありました。多くの教員や職員の協力を得るのは並大抵のことではありませんでしたが、染谷先生という強力なリーダーがいたからこそ実現できたと感じています」(加藤氏)一方、教員の負担を軽くする取り組みもメタバース工学部の維持に欠かせないと、事務局のリーダー役を務める工学系研究科 化学システム工学専攻 教授の脇原 徹氏は強調する。「講座に関わる先生は皆、研究室の運営や学生指導等に忙殺されています。ですから、より多くの先生に参加していただくことで、一人ひとりの負担を減らすことが大切です。そのために、色々な会議に出向いてメタバース工学部の社会的意義を伝え、協力をお願いするように心がけています。また、先生方がモチベーションを燃やせるようなスキームになるよう、工夫もしています」(脇原氏)メタバース工学部の課題の1つは、広報活動にあると加藤氏。今後も企業等への知名度を高め、より多くの協力者を巻き込みたいと考えているようだ。「企業経営者等から意見をいただく機会があるのですが、メタバース工学部の知名度は我々の期待ほどはまだ高まっていません。もっと見せ方を工夫したり、積極的な広報活動を行ったりして、より多くの企業に認知してほしいですね。我々の略称『メタ工』を、誰もが知るような存在にしたいと思っています。その結果、講座の意義が世の中に広まり、会員企業がさらに増えれば、日本企業の生産性は今より格段に高まるはずです。そうして日本全体を活性化する起爆剤になれればと、私達は考えているところです」(加藤氏)講座名グローバル消費インテリジェンス(GCI)(未定)次世代サイバーインフラ(未定)アントレプレナーシップ (文/白谷輝英)受講形式同時受講オンデマンドオンデマンドオンデマンドオンデマンド図1 メタバース工学部 リスキリング講座プログラム 一覧講座名受講形式同時受講同時受講同時受講同時受講オンデマンド同時受講AI先端テクノロジー新規事業プログラミングPython基礎(12月開催)10月開講予定講座

元のページ  ../index.html#49

このブックを見る