Society 5.0社会の中核を担う現在の学生達文理分断から文理融合・横断・複眼へEditor-in-chief' Perspective●編集長の視点第4次産業革命が進行中である。IoTやビッグデータ、そしてAI等、通信技術やデジタル化のさらなる進展により、産業全体を大きく変える可能性が指摘されている。その先にある社会がSociety 5.0である。Society 5.0は、第5期科学技術基本計画において、わが国が目指すべき未来社会の姿として提唱されたもので、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)と定義されている。折しも、生成系AIであるChatGPTの登場や、AppleがMRゴーグルを発表したこともあり、Society 5.0が急速に身近に感じられるようになっている。現在、高校・大学で学んでいる生徒・学生は、まさにSociety 5.0の中核を担う人材であることは間違いない。一方、そうした社会の到来に向けて、デジタル人材が足りないという掛け声は聞くものの、一体デジタル人材とはどのような人材なのか、どのように育成したらよいのかといった点については百家争鳴であり、まだまだ緒に就いたばかりともいえる。今回の特集では、デジタル人材に求められるものは何なのかについて、有識者、各省庁や企業、大学、高校まで多くの取材を実施した。現状のデジタル人材は、企業からの求人上はかなり細分化されているが、今後技術の進歩によって、その区分が変化していく可能性も考えられる。全体としては、今後の社会でデジタル人材に必要とされる要素は大きく3つと考えられそうである。①最先端のデジタルリクルート『カレッジマネジメント』編集長 小林 浩50これまでの延長線ではなく、産業構造の変化を見据えたデジタル人材育成を
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