カレッジマネジメント237号
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59います。ピッチコンテストの1年目の総長賞は本学院生、2年目は本学学部生、3年目は附属高校の生徒で、3年目からは小学校も参加しています。現役附属高校生の社長が生まれ、新たな形を模索しています。「次世代研究大学」を実現するために、タテ・ヨコのつながりで研究の場を拡大していきます。タテのつながりとは、学園全体で「次世代探究学園」になることです。附属校の生徒はスーパーサイエンスハイスクール(SSH)やスーパーグローバルハイスクール(SGH)で探究学習に秀でています。国際会議で学会レベルの高度な研究成果を英語で発表できるレベルの子達がリーダーとなって牽引してくれているからこそ、5万人単位の大きさの学園が発展していくことができると考えています。そこで、ワクワクする探究型キャンパスを創るために、附属校からの進学率8割を目標としています。入試では、2023年度入試からAI学習システム「atama+」を活用した「学部指定単元AI学習プログラム(UNITE Program)」を導入しました。AIによって個別最適化されたカリキュラムで学部が指定する単元を効率的に学習でき、修得認定試験に合格すれば、AO選抜の出願資格が得られます。学部で学ぶために必要な能力を修得することで、入学者はより高い次元で学びを発展させ、4年間で探究力を養う環境作りができます。本学では、この入試を「修得主義に基づいた未来型の入試」として、今後も拡大していきたいと考えています。ヨコのつながりとは、世界の一流大学や研究機関との共なかたに・よしお1958年生まれ1981年 大阪大学人間科学部人間科学科 卒業1981年 三菱電機株式会社入社1989年 神戸大学 学術博士1991年 米国スタンフォード大学言語情報研究センター 2004年 立命館大学情報理工学部教授2014年 立命館大学情報理工学部学部長2018年 立命館大学副学長2019年 立命館大学学長(CSLI)客員研究員 同研究の拡大を意味し、R2020の目標「世界ランキング200位台を目指す」を堅持します。オーストラリア国立大学やアメリカン大学との共同プログラムも結びつきを強めるためです。留学生数はスーパーグローバル大学創成支援事業(SGU)の到達目標を達成見込みですが、D&Iの観点からも、今の倍の5000人は超えてほしいと思っています。本学のキャンパスはそれぞれ役割を持っています。衣笠キャンパスは人文社会系中心のキャンパス、びわこ・くさつキャンパス(BKC)は理工系を中心に文理融合の産学連携を試行するキャンパス、大阪いばらきキャンパス(OIC)はグローバル教養学部を置き、アジアのゲートウェイとしてグローバル化を推進するキャンパスです。そして2024年度には、BKCから情報理工学部を、衣笠から映像学部をOICに移転し、次世代の教育研究の下支えとなる情報技術とメディア表現を同じキャンパスに集めます。リアルとオンラインを高度に融合した、これまでとは異なる形で社会とつながりながら、世界の一流大学との共同研究や産学連携を推進する「ソーシャルコネクティッド・キャンパス」を形成します。OICを社会課題解決のために世界へ開かれたオープンな実験場と捉え、大学全体の牽引役に位置づける方針です。そして、D&Iと研究の高度化を強力に推進し、2030年には、建学の精神の新たな実現形としての、「次世代研究大学」となっていることを、最後に強調しておきたいと思います。(文/能地泰代 撮影/米本満穂)「次世代研究大学」を支えるタテ・ヨコのつながりOICを「ソーシャルコネクティッド・キャンパス」へ

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