77全学的なイベントや会議等にも使われる4階大教室ロースクール、ビジネススクール共用の教室 外観を引き込むライン天井とした多様な個性のある人材が将来に向かって上昇していくイメージを垂直性のあるファサードにて表現した。中間階にはガラス張の連絡階段を設け、生き生きとした内部での活動が外部へと発信されていくことを意図した。また、かつてこの地にあった本学の建物で使われていた大理石を各所に再設置することで本学の歴史と記憶を継承することを目指した。 本キャンパスが地域と共生する防災上の拠点としても機能するべく、免震構造を採用し、避難者が72時間滞在することが可能なよう、非常用発電機、緊急排水設備、防災備蓄倉庫等の設備を備えている。 また、将来の間仕切り変更が容易になるよう、柱は全て外壁側にまとめる大スパン構造とし、さらに、太陽光発電をはじめ自然換気や屋上緑化などの様々な省エネルギー手法を取り入れることによりカウンター席やソファ席等様々な利用形態に合わせた12階図書室20%以上の省エネを達成し、使い勝手の良い、環境に優しい持続可能なキャンパスを目指した。 総合設計制度により設置した四季折々の植物が楽しめる豊かな公開緑地により、建物周りは地域の方々が憩う場となっている。 今回、法学部の都心移転の実現により「中央大学のカタチ」が大きく変わり(学生定員でいうと、多摩が55%、都心が45%となり、半分近くが都心で学ぶことになる)、多摩と都心の二大キャンパスの時代に入る。都心キャンパス整備が一段落し、今後は、郊外型キャンパスとして緑豊かな環境を活かしたグローバル・キャンパスを目指す多摩キャンバスの整備が控えている。(文/中央大学常任理事 法科大学院教授 大貫裕之)5階ロースクール模擬法廷ディスカッション、プレゼンテーションの場となる14階ビジネススクールコモンズイベントや憩いの場として使われる19階カフェテリア外部緑地空間とラウンジが一体となったエントランスホール撮影/Kouji Okamoto(※のみ)SURUGADAI抜けを伴った明るい内部空間の各所には学生が集える小さな空間を多数確保した(1000席ほどの椅子やソファー席、WEBブース席などを配置した)。 茗荷谷キャンパスには郵便局、保育所、キッズルーム等の施設のほか、地域活動センターも入っており、地域インフラの一翼を担うと共に、1階のスターバックス コーヒーは学生と地域の方々のオアシスになっており、地域に開かれた新たな知の拠点として、茗荷谷の地で歓迎をもって受け容れられている。駿河台キャンバス空に向かうモダニティ 教室や研究室、図書館に加えて、同窓生のための施設のほか全学的に使われる会議室やラウンジ等、多機能な用途が積層した、20階建ての都心型高層キャンパスである。外観は、キャンパスで学ぶ
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