カレッジマネジメント238号
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地球環境の危機℃3.0気温の上昇地球温暖化から、地球沸騰化へ日本でも猛暑が続く2023年7月27日、アントニオ・グテレス国連事務総長は、「地球温暖化(global warming)の世紀は終わり、地球沸騰化(global boiling)の世紀が到来した」と発言した。今年7月の最初の3週間の世界平均気温は16.9℃を超え、1940年から計測して以来、どの7月の最初の3週間の気温よりも高く、7月の月間気温が史上2.52.01.51.00.501972年生まれ。東京大学(工学博士)修了後、国立環境研究所へ。政府の委員会でパリ協定の目標値策定に参画(SDG13)。内閣府「環境未来都市」の委員として自治体を支援(SDG11)。現在は日本・アジアの国や都市の脱炭素化・SDGs実践(SDG17)、「脱炭素先行地域」評価委員会(座長代理)に集中。過去の地球温暖化1000公益財団法人 地球環境戦略研究機関(IGES) 上席研究員/サステイナビリティ統合センター プログラムディレクター累積CO2排出量(GtCO2)の関数としての1850〜1900年以降の世界平均気温の上昇(℃)5つの例示的なシナリオにおける、2050年までの累積CO2排出量と地球温暖化のほぼ線形の関係最も高くなる見通しであると、世界気象機関とコペルニクス気候変動サービスが発表したことを受けてのコメントである。世界の科学者や政策決定者が集まって気候変動の最新の知見をまとめているIPCC(気候変動に関する政府間パネル)では、1990年以来、約5-8年おきに評価報告書を公図1  人為起源のCO2の累積排出量と気温の上昇はほぼ比例関係にある年への意思決定33寄稿気候変動は地域間格差と世代間格差という不平等を生み出しているSSP2-4.5SSP1-2.6SSP1-1.91850年以降の累積CO2排出量2000人為起源のCO2の累積排出量3000SSP5-8.5SSP3-7.040004500GtCO2(出所)IPCC第6次評価報告書 WG1報告書特集2040気温の上昇とCO2累積排出量がほぼ比例関係= CO2排出が増えると気候変動が進行気候変動がもたらす地域間・世代間格差気候正義 Climate Justice03CO2排出が増えるたびに地球温暖化が進行藤野純一 氏脱炭素経営の必要性とその背景について

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