カレッジマネジメント238号
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地域中核・特色ある研究大学総合振興パッケージ程学生、若手研究者の厚みを拡大していくことが必須である。そのため、国際卓越研究大学法に基づく基本方針では、大学ファンドにより、国際卓越研究大学の支援と合わせて、優秀な博士課程学生の活躍促進について支援することで、我が国全体の研究力の大幅な向上を目指すこととしている。大学ファンドによる支援に先駆けて、既に「次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING)事業」を通じて、博士後期課程学生への経済的支援とキャリアパス整備を一体として行う実力と意欲のある全国の国公私立大学に対する支援が開始されている。今後、安定的支援を実施できる段階から、大学ファンドの運用益の範囲内で、当面の間は200億円程度(約7000人)とし、速やかに運用益による博出典:総合科学技術・イノベーション会議 地域中核・特色ある研究大学総合振興パッケージ(案)R4.2.1士課程学生支援を実施することを予定している。多様な機能を担う全国の大学全てが我が国の知の基盤として重要な役割を担っており、この多様性は今後も我が国にとって重要な強みである。そのため、大学ファンドによる国際卓越研究大学への支援と同時に、地域の中核大学や特定分野の強みを持つ研究大学に対して、多様な機能を強化し、我が国の成長の駆動力へと転換させる支援策を、「地域中核・特色ある研究大学総合振興パッケージ」として、政府全体で一体的に推進していくこととしている。①多様性と卓越性③地域貢献研究環境(研究支援体制等)図2 総合振興パッケージの目的②社会実装・イノベーションマネジメント(経営力)総合振興パッケージは、・研究活動を核として大学の力を向上させる際に求められる『機能』の観点から、目指す大学像に向けて大学自身の立ち位置を振り返る「羅針盤」の基本的な考え方を示しつつ、重層的に展開される各府省の事業を一つの政策パッケージとしてとりまとめることで、・大学が、自らのミッションに応じたポートフォリオ戦略の下、選択的かつ、発展段階に応じて、それぞれの機能をさらに強化しやすくすることを目的としたもの<発展段階イメージ>地域企業からの受託研究 ⇒自治体主導の地方創生に向けた取組に参画 ⇒大学主導による地域イノベーション・エコシステムの形成を通じて、地域社会を変革【アウトカム例:自治体からの資金受入れ額や、第二創業の成功事例の増等】<発展段階イメージ>個人研究⇒チーム型研究⇒研究拠点形成⇒国際共同研究拠点やネットワークハブの形成による新興分野のクリティカルマスを創出【アウトカム例:Top10%論文数や国際共著論文数の増等】<発展段階イメージ>人的交流⇒個人の共同研究⇒組織対組織による共同研究⇒研究成果の社会実装(企業への技術移転、起業等)【アウトカム例:外部からの研究資金受入れ額やグローバル・スタートアップ企業創出数の増等】44

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