大学が自ら社会に出て進める共同研究と実学教育(単位:千円)1,100,0001,000,000交付件数900,000800,000703,415714,579700,000600,000500,000363385 Case Studies近畿大学46日本の国際的な競争力の底上げに作用するものの一つが、個々の大学が企業や地域と連携して研究成果を社会に還元し、産業の創出・振興に寄与していくことである。この点で、近畿大学(以下、近大)は、2021年には338件の民間企業からの受託研究を実施し、全国の大学の中で6年連続1位となる等、研究力を基にその成果の社会への還元を積極的に行っている大学と言えるだろう(2022年度科学研究費助成事業採択数は582件:図)。積極的に産学官連携を進める背景や今後の方針について、細井美彦学長と竹原幸生リエゾンセンター長に伺った。近大が産学官連携を積極的に進める背景には、建学の精神である「実学教育」と「人格の陶冶」があると細井学長は話す。「創設者である世耕弘一が、戦後の食糧難の時代に地上の食料の増産だけを考えるのではなく、『海を耕せ』と海水交付金額750,798775,250389420魚の養殖研究に乗り出したことを端緒に、研究を社会の技術として伸ばし、そこで生み出された資金をもう一度研究に投資し、実学教育として育てていった。この精神を現代社会に合う形で展開していく方法が、研究成果や技術を持って大学の外に飛び出していくことでした」と細井学長。「企業との共同研究や公的機関との連携、様々な社会組織の共同運営といった形で、学生や教員が大学の外に活動を求めて出て行き、そこでの学びを学内に持ち帰ることで、これまで以上に実学にフィットした学生を育て、社会での活躍を期待したい」と続ける。この実学教育の実現と産学官連携において大きな役割を担っているのが、近畿大学リエゾンセンター(KLC)である。共同研究や技術相談等、産業界から近大へ、また、近大から819,560745,930740,170435424430学長リエゾンセンター長細井美彦 氏989,570948,740821,710470522竹原幸生 氏(単位:件)6501,049,766600500400300550582200(年度)科学研究費助成事業採択状況H24(2012)H25(2013)H26(2014)H27(2015)H28(2016)H29(2017)H30(2018)R1(2019)R2(2020)(2021)R3R4(2022)独自の研究力を背景に企業・地域との連携を幅広く展開
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