リクルート カレッジマネジメント238 │Oct. - Dec. 2023文部科学省「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン」(※)の第1章「Ⅰ.2040年の展望と高等教育が目指すべき姿-学修者本位の教育への転換-」において、2040年頃の社会について描かれている。それは、SDGsが目指す社会であり、先端技術が高度化し、Society5.0の実現に向けた取り組みが加速している知識集約型社会である。さらには、人生100年時代を迎え、マルチステージの人生の中で全ての国民に活躍の場がある社会でもあり、また、情報通信技術の進展等により、人々の国際流動性が高まりグローバル化が進むと同時にローカル化の動きも活発化し、地域が産業の拠点となる可能性も高まる社会であるとも描かれている。答申が示されてから、5年半が経過した。より良き社会の実現に向け、コロナ禍を経て新たな歩みを進めつつも、前提となる社会の問題は、ますます現実味を帯びて厳然と立ちはだかろうとしている。日本においては「人口減少」という不可逆な事実に起因する課題をはじめ、多様なアジェンダが目白押しであり、大学をはじめとする次世代の高等教育経営に期待される役割もその分大きい。未来の大学経営にバトンを引き継いでいくためにも、今こそ来るべき社会を見渡し、予測困難ながらも独自の意思決定をする責務が現経営層にはあるだろう。本特集では、労働市場予測をはじめとする「2040年の社会の姿」から、求められる大学経営のヒントとしていただきたい観点をお伝えしたい。※ https://www.mext.go.jp/content/20200312-mxt_ koutou01-100006282_1.pdf5
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