カレッジマネジメント238号
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 花嶋 2008年に将来構想を策定した時には、経営企画室が担当していました。経営企画室は、法人運営と教学運営の連携部署として2001年に設置された新しい部署で、学部改組や定員増、中長期財政計画等の策定を行ってきました。私は将来構想の策定時には広報部にいましたが、経営企画室に異動し、構想を具体的な実行計画に落とし込むところから関わらせて頂きました。その後、2010年に事務組織の1回目の大きな改組があり、経営企画室を経営政策部に名称変更しました。その時に合わせて、大学の中での課題となっている部署の新設・統合といった事務組織の見直しが行われています。経営政策部の機能は、将来構想担当は変わらず、新たに経常費補助金の学内業務を集約する機能を引き受けました。もっとこういう改革をすれば補助金の対象になるという視点で補助金申請をまとめるという実務的な業務でしたが、教学側も非常に協力的で、改革が補助金と連動することで一気に進むという効果もありました。そして今年の4月に2回目の大きな事務組織改編をして、経営政策部を企画政策部に変更しました。単なる名称変更ではなく、企画政策部の中に広報部と、それまで大学の学部改組を担っていた大学政策室を教学改革推進課に改編して加えました。企画政策部は、法人系と教学系の改革を推進する企画系業務をまとめ学内外に発信する広報機能を持った新たな部署であり、将来構想や大学改革あるいは法人改革の結接点として新しい機能を担っていきます。教学と法人の橋渡しというところが事務局の担う役割だと思っていますので、その象徴的な部署が企画政策部だと思っています。――中・長期計画を推進するためには、次世代を含め、どのように学内に共有・浸透していけば良いでしょうか。小野 将来構想を検討中の段階から中間報告会を開いて意見を聴取し、策定後も冊子の配布、学内広報誌での特集、全学説明会、若手職員や中堅職員との懇談会を開いたり、各会議体で進捗報告を行って学内共有・浸透を図ってきました。さらに2039年といえば、ちょうど新任職員が40代半ばとなり本学の中核を担う存在になるので、新任職員研修では将来構想の内容だけでなく未来予測の説明をするようにしています。ただ、先生方へのチャネルが弱いのが悩みで、全学説明会をしても参加される方は少なく、冊子を送ったり、学部長会等で進捗報告等をしていますが、教授会でどこまで共有・浸透できているか把握は難しい状況です。花嶋 本学も報告会をやっているものの、教員一人ひとりにどこまで浸透しているか、正直疑問はあります。ただ仕組みとしては、将来構想をもとに中期計画と法人の事業計画に落とし込み、事業報告書の作成時には計画がどうなっているかを求めているので、ある程度の進捗確認はできています。特に職員には、事業計画書から事務局の目標を設定して、そこから各部署の目標設定をして各個人のキャリアアップシートに落とし込むという形にしています。もう一つは、新しく何かをしたい時の予算申請書に、その業務は将来構想のどこと関連していますかという項目を入学園内でいかに共有・浸透していくのか?58これからの職員は、広い視野で様々な知識と能力を蓄積し、ヒューマンスキルも駆使して大学マネジメントを担うべき。(小野)「継続性」は職員の特徴。自大学の課題を認識して、どういう大学を目指すのかを次の世代に引き継いでいくことは、職員のあるべき姿。(花嶋)

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