15社会人に対するリカレント教育・リスキリング教育社会人に対するリカレント教育・リスキリング教育ると、回答者の約3割が規模の縮小をやむなしと考えていることがわかる。その逆に、「経営の規模を拡大しつつ競争力を強化」との回答も1割強(11.3%)あることにも注目したい。大学の規模と分野をどうするか、経営戦略の巧拙が試されているといって過言ではない。次は、18歳人口の減少を見据えた新たな需要獲得方策についてである(図10-1、図10-2)。最初に、「社会人に対するリカレント教育・リスキリング教育」、「シニア層に対する教養講座や市民講座」、「受け入れ留学生の増加」のそれぞれについてどの程度重視しているかを尋ねた。その結果、「極めて重視している」の割合が最も高かったのは留学生の増加(36.6%)、次いでリカレント・リスキリング教育(32.9%)であり、シニア層向けの講座は13.0%にシニア層に対する教養講座や市民講座受け入れ留学生の増加シニア層に対する教養講座や市民講座受け入れ留学生の増加1.極めて重視している32.913.036.61.対面を主とした教育30.440.42.ある程度は重視している72.72.対面と通信を併用した教育51.6とどまっている。ただ、「ある程度重視」を合わせるとリカレント・リスキリング教育93.8%、シニア層向け講座85.7%、留学生の増加81.3%といずれも高い割合になっている。また、これらの教育機会提供の手段について尋ねたところ、留学生は対面を主とした教育が対面と通信の併用を上回り、シニア層向け講座やリカレント・リスキリングでは対面と通信を併用した教育が対面を主とした教育を上回る結果となった。18歳人口の急速な減少、労働力不足の深刻化、リカレント・リスキリング教育や生涯学習への期待の高まり等を考えると、多様な手段の組み合わせによる新たな需要の掘り起こしは喫緊の課題と考えられる。今回の調査ではその点についてこれ以上の深掘りができていないが、諸外国の状況や国内の先端事例等を広く共有しつつ、新たな大学のあり方を検討する一環としてさらに議論を深めていく必要がある。3.それほど重視していない60.944.73.通信を主とした教育61.551.635.44.無回答(%)5.60.613.70.617.41.24.無回答(%)6.81.26.21.910.62.5図10-2 18歳人口の減少を見据えた新たな需要獲得方策/教育機会提供の手段図10-1 18歳人口の減少を見据えた新たな需要獲得方策/重要度第1特集●理事長の視界から考える 法人経営の課題多様な手段を用いた新たな需要の掘り起こしは喫緊の課題
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