(この期間の目標の達成)− 役員・教職員が一丸となって計画を策定・実行し、達成の喜びを共有する ―計画に盛り込む内容− 計画期間におけるビジョン ―− 目標達成に向けた行動をナビゲート ―− 目標達成のための具体的な行動 ―リスクシナリオという考え方図3 学校の理想・将来像 夢をかなえる‼将来、どのような学校にしたいのか具体的な数値目標明確な実施計画ビジョン・計画の共有=達成感の共有計画で盛り込む事項とポイント現状分析行動計画組織の価値・目標“UP”現在修学支援新制度の機関要件等、学校に係る様々な制度に注意を払いつつ、地域により差はあるものの少子化の確実な進展や社会経済の状況、それに伴い必要とされる人材の需要の変化等も考慮する必要がある。これは、学生増(=収入増)中心の計画は容易ではなく、支出の見直しや各部門の規模やあり方を併せて検討していくということである。自法人の置かれた環境や状況から経営を悪化させるリスク及びその発生原因を分析し、経営改善計画の目標が達成できなかった場合の対応もあらかじめ考慮しておく必要がある。また、目標達成が困難で将来的に学校を継続することが厳しいと見込まれれば、資金力等の体力があるうちに学校の合併や設置者の変更、あるいは新たなスポンサーの支援獲得や撤退等の判断を考えなければならない。一方で、過大な債務があることで計画の策定に大きな支障が出ている場合には、債務の圧縮等により経営再建を図ることを検討することも一つの方法である。(図5)『ハンドブック』では経営困難状態に陥った場合の再生や合併等についても掲載している。この目標が達成できないような状況を、ここではリスクシナリオと呼ぶが、必ずしも定義があるものではなく、想定次理想と現在の差を埋める302年後1年後将来ビジョン中期的戦略現状把握数値目標教学・人事・施設・財務等に関すること5年後4年後3年後第で様々なシナリオが考えられる。①「大幅な定員未充足が生じた場合の対応方針(リスクシナリオ)」そのうち、文部科学省が設置審査の参考資料として、『学校法人の寄附行為の認可及び寄付行為変更の認可申請書類の作成等に関する手引き(令和5年9月改訂版)』において、作成方法を示している。ここでは「学校法人において、新たに組織を設置する場合は特に、設置校において大幅な定員未充足が生じた場合の財務のシミュレーションをすることが非常に重要であり、複数の対応策の洗い出し、改善方策を決定し実行する体制の構築等をあらかじめ想定しておく必要」があるとして、①学校法人の現在の財務状況②新設組織において定員未充足が継続した場合の資金収支シミュレーション③学校法人の経営改善に係る対応策④教育研究への影響、の4つの項目が求められている。②様々なリスクシナリオ目標を達成できない要因は、収入面・支出面等様々なので、それに応じていくつかのシナリオを作っておくとして、ここでは最悪の事態も念頭に作成するものを考えてみたい。例1 資金ショートが起こらない最低限の条件これは、例えば、損益分岐点分析等により、必要とされる学生数が何人であるか等を試算し、資金ショートを起こさずに運営していく最低限の条件を検討するもの。収入でも支出でもそれを割り込んだ場合は撤退等の何らかの意思決定を行うという条件にもなりうる。期間2.計画の目標達成が困難な状況での判断
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