■調査期間:令和4年7月14日~令和4年8月31日(遅れて回答のあった大学等も含め、令和4年11月29日までの回収分を集計) ■調査方法:eメールによる調査票の発送及び回答票回収 ■調査対象:全大学(学生募集停止の大学を除いた、国立大学、公立大学、私立大学、公立短期大学、私立短期大学の計1,071大学) ■有効回答数: 1,071大学(76,113選抜区分)(回収率:100.0%)43では年内入試自体、特に総合型選抜はどのような選抜になっているのか。文科省調査より、学力検査以外に考慮する資料等の利用率について、図表9~12に詳細を示した。これによると、一般選抜は「学力検査以外の要素」で取り入れているのが調査書58.3%以外に特筆すべき点が見られず、基本的に知識・技能を問う入試である点が明確である。学校推薦型選抜では「推薦書等」88.4%、「調査書」86.2%、「評定平均」81.3%といった高校発の書類や経験を中心に、 ■調査目的:大学入試改⾰については、文部科学大臣の下に設置した「大学入試のあり方に関する検討会議」において、これまでに指摘された課題や過去の政策決定の検証等を踏まえて検討が進められ、令和3年7月に「大学入試のあり方に関する検討会議 提言」がなされたところである。 当該提言においては、実証的なデータやエビデンスに基づく政策決定の重要性が指摘されており、大学入学者選抜方法の多様化・複雑化が進むなかで、国として的確な現状分析に基づいて検討を進めるためにも、国内の全大学・短期大学が現在実施している入学者選抜の状況について、最新の動向を網羅的に把握する必要がある。 以上を踏まえ、各大学が実施する大学入学者選抜について、選抜区分ごとに詳細を把握し、設置主体別等の状況分析を行う。0.615.49.17.518.69.91.525.222.44.10.30.90.22.20.216.33.81.0文部科学省 大学入学者選抜の実態の把握及び分析等に関する調査研究(令和5年2月)より図表9 資料・書面等の利用率(複数回答)図表11 面接・討論等の利用率(複数回答)76.961.940.472.1(%)88.4(%)87.2【図表9-12について】「面接」72.1%で掘り下げる入試であると言えそうだ。総合型選抜は、「調査書」88.4%、「評定平均」72.3%、「面接」87.2%が高い点は学校推薦型に似ているが、それに加えて「大学入学希望理由書・学修計画書等」が76.9%と高く、「レポート」「小論文」「プレゼンテーション」等も他方式に比べると高いことから、多面的・総合的に人材を評価し、大学教育につなげる役割を担っていると言えそうだ。図表10 レポート・小論文等の利用率(複数回答)図表12 高校等における学習成果の利用率(複数回答)0.113.73.75.20.11.90.658.331.072.317.438.832.1一般選抜(n=29,688)総合型選抜(n=11,521)学校推薦型選抜(n=18,478)(n=59,687選抜区分) ※国公私・大学計(%)34.632.8(%)・出願資格 (21.2)・総合評価 (16.1)・総合評価 (36.4)・参考資料 (18.5)・総合評価 (39.3)・出願資格 (18.8)・参考資料 (13.0)・総合評価 (10.6)・総合評価 (21.7)・得点化 (21.2)・出願資格 (38.7)・得点化 (20.3)88.486.281.3・参考資料 (9.1)・総合評価 (6.9)・参考資料 (18.0)・総合評価 (15.8)・参考資料 (17.0)・総合評価 (12.1)第2特集●大学入学者選抜の現在地大学入学希望理由書、学修計画書等プレゼンテーション調査概要推薦書等活動報告書面接口頭試問討論英語による面接・プレゼンテーション・討論等レポート小論文英語による小論文、エッセイ等高校等の調査書(全般的利用)高校等の教科の評定平均値高校等の総合的な学習の時間や専門教科等における、生徒の探究的な学習成果等に関する資料学力検査以外の評価状況を見ると、総合型選抜が多様な要素を利活用03総合型選抜は本当に多面的・総合的評価になっているか?
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