カレッジマネジメント239号
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CONTENTS52022年の出生数は約77万人と統計開始以来最少の数字を更新した。18歳人口減少という不可逆的な状況についてはもはやあれこれ語るまでもないが、2040年頃には80万人近い数字となり、大学進学率の伸びを見込んだとしても大学入学者数は現在と比較して2割近く減少すると予測されている。厳しい経営危機に直面する大学が続出する事態への突入も否めない今、大学においては「存続」や「危機回避」のための、より確かな将来構想と、リアリティある具体的な戦略・柔軟でスピーディな意思決定がこれまで以上に不可欠となっている。そしてその舵取りを担うのは、学校法人の経営者である理事長の職にある方々であろう。今回は、学校法人東京家政学院理事長・筑波大学名誉教授である吉武博通氏の監修のもと、大学を持つ学校法人の経営トップである理事長の皆様方に調査を実施し、現在の大学経営に関する問題認識、及び収支や経営施策等に関する今後の見通しについて分析をした。調査にご協力をいただいた全国の学校法人理事長並びに関係各位には、この場を借りてお礼を申し上げたい。また本特集では、様々な経験をお持ちの学校法人経営のトップ3名の方にお集まりいただき、これからの時代における経営という視点から大学が目指すべき方向性や、理事長が果たすべき役割について座談会にて語っていただいた。さらに日本私立学校振興・共済事業団より、学校法人の経営改善計画策定の要点について解説いただいている。今回の特集が、リスク回避と次なる一手を講じるきっかけになれば幸いである。【調査分析】危機の時代の大学経営の課題について考える「理事長調査」報告【座談会】10年後に存在価値のある大学であるために理事長は何をすべきか【寄稿】学校法人の経営改善計画今後に向けた作成の要点【編集長の視点】2030年までが大学経営改革の正念場、教職員の意識改革が課題にリクルート カレッジマネジメント239 │Jan. - Mar. 2024

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