主体的・対話的な深い学びになっている思考力・判断力・表現力や課題を発見する力が身についている指導法が改善されている新たな指導内容や教材・教具等が開発・導入されている教員間の連携や共同が促進外部人材・組織の活用・連携が促進保護者への説明、要望を受ける機会が増えた特に変化はないその他51探究学習によって生徒の多面的な能力を磨く(%)806040200授業を増やすことが必要となってきました。そうした工夫をする高校は着実に増えており、授業改善のためグループワーク等を取り入れる学校の数は右肩上がりになっています。特に新型コロナウイルスの感染拡大以降は、学習用端末の普及や校内ネットワークの整備が進んだことにより、指導方法を改善する動きが加速しました。事前に課題を伝えて生徒に考えさせたり、授業終了後に生徒の感想や疑問点を集めて次の授業に反映させたりする等の工夫が容易になったのです。また、電子黒板を使って生徒達の意見を共有する取り組みも広まっています。思考力・判断力・表現力の評価はかなりハードルの高い課題ですが、「学びに向かう力・人間力」の評価はさらに難問です。例えば、授業中に発表をした回数で「学びに向かう力」を評価できるかというと、必ずしもそうではありません。また、「人間力」の多寡を測るのはさらに難しいことでしょう。思考力・判断力・表現力や学びに向かう力・人間力の評価は、高校にとって未知の領域です。恐らく多くの高校が、どんな物差しで生徒を評価すればいいのか悩んでいるのではないかと思います。ところで、生徒の多様な能力を評価するため、高校時代の学習状況や成長の様子を記録するものに「ポートフォリ47.938.734.634.633.030.928.719.13/4以上の生徒が四年制大学に進学する学校専門学校への進学が主な学校新しい大学入学者選抜による高等学校教育への変化について(複数回答可)70.763.260.653.232.431.930.331.529.325.128.222.917.08.5大学以外に専門学校等へ進学する生徒がいる等、進路が多様な生徒が在籍する学校全体オ」があります。全ての高校が統一で利用できる形式のものは廃止になりましたが、民間企業のアプリを使ったり、紙に記録したりするスタイルのポートフォリオは多くの高校で採用されています。例えば私がいた八王子東高校では、「Microsoft Teams」を使って各生徒の情報を蓄積していました。そしてそこを見れば、思考力等がどの程度成長したかを確認できる仕組みになっていたのです。学校によって温度差はありますが、こうした取り組みに力を入れるところは徐々に増えているように感じます。また大学によっては、ポートフォリオを総合型選抜に役立てるところも現れています。これはあくまで私個人の考えですが、ポートフォリオを入試に活用する大学が増えるのは、歓迎したい動きですね。旧課程で設けられていた「総合的な学習の時間」は、本来は複数教科を横串に貫いて学ぶ場だと位置づけられていました。ところが実際には、進学先調べや英語や数学の補習といった受験対策に使われるケースが珍しくなかったと思います。これが「探究学習」に変わったことで、状況はかなり変わってきました。探究学習の時間を受験対策に23.810.19.610.68.32.14.329.811.99.66.22.14.8調査:全国高等学校長協会第2特集●大学入学者選抜の現在地
元のページ ../index.html#51