カレッジマネジメント239号
60/92

60自学の理念を理解した多様な学生を受け入れるために小論文エントリーシート(哲学科・現代社会学科・コミュニティデザイン学科・事例午前:セミナー真宗仏教703080208020教育学科 幼児教育コース)文学部哲学セミナーグループワーク、プレゼンテーション等歴史文学90109010す」と補足する。現在の内容になったのは2021年度入試から。この時、「学長による理念説明」を新たに導入し、全学科で小論文を課すことを始めた。背景には、文学部のみの単科大学から、2018年に社会学部と教育学部を、2021年に国際学部を設置し、4学部体制になったことがあったという。学科ごとにバラバラの組織にならないよう、扇の要のごとき大学の共通基盤である建学の精神や教育理念を再確認するという目的で、学長が受験生全員に対して大学としての理念説明を行う。関連して、理念のあらわれである「人間学」、即ち人間を見つめ、人間について考えるという大谷大が重視するアプローチとの整合性を問うため、読んで理解して自分の意見として書き表す「言語化能力」を測る評価方法として、小論文を全学科で導入したという経緯がある。現代社会コミュニティデザイン初等教育802090108020(全学科・コース)入学センター長 社会学部教授渡邊拓也 氏小論文作成(要約・意見論述)社会学部教育学部国際学部国際文化幼児教育80209010●審査の流れ第1次審査学長による本学の理念説明●100点満点/各配点●審査の流れ第2次審査●審査の特徴各学科・コースの講義を受講面接自分の言葉で学ぶことの意欲・熱意を伝える志望学科・コースとのマッチングを重視午後:面接Case Studies大谷大学(以下、大谷大)は、総合型選抜「アドミッション・オフィス入試」(以下、AO入試)において、2日間で2段階の選抜を行っている(下図)。第1次審査においては「エントリーシート」と、「学長による理念説明」「学科講義」を聴いたうえでの「小論文」で、第2次審査においては「セミナー」及び「面接」で学生を多面的・総合的に評価するという選抜プロセスだ。その狙いと経営上の効果等について、入学センター長で社会学部教授の渡邊拓也氏に伺った。まず、AO入試の狙いは大きく2つあると渡邊氏は話す。「1つは、仏教精神に基づいた人間教育を行うという本学の教育理念をよく理解している学生を、もう1つは、専願制の入試として、本学で学ぶ強い意思を持っている学生を募集するという狙いがあります」。加えて、多様な学生を受け入れることも目的の1つとしており、「偏差値偏重の教育では評価されてこなかった点を評価できる設計にしていま02_大谷大学 アドミッション・オフィス入試学長による理念説明を筆頭に多様なプロセスで学科とのマッチングを図る

元のページ  ../index.html#60

このブックを見る