●小中高で学んだ算数・数学及び理科の内容をもとにし●問題・図表に提示された内容を読み取り、結果・考察をまとめ、それをもとに研究課題や新たな授業展開等の計画を立案する●タブレット端末とイヤホンを用いて、2つの分野(「数●2つの講義それぞれで重要だと考えたキーワードを選●複数の面接員との個人面接●第1段階選抜の答案や提出書類等をもとに双方向で質疑応答を行う●3~6名の受験者が与えられたテーマをもとにグループ活動を行い、活動後個人で振り返り、自己評価シートを記載●数学・理科・英語について、タブレット端末を用いたCBTを行う●「大学入学後にどのようなことを主体性や協働性を発揮し学び合いの核となることを期待接続だ。「解決すべきテーマを決めるために、思いつく課題を洗い出したうえで整理する」「協力者に適切に指示をする」「物事を教科横断で考える」等、探究の過程で培われる力を問う出題が随所になされている。こうした設計を行った背景の1つには、九工大が目指す大学としてのあり方と、工学系技術者への興味喚起に対する課題感がある。「初等中等教育の現場にもアプローチして工学系のエンジニアの裾野を広げ、かつ、社会に出たエンジニアが専門性や強みを複数持ったり、昇進等のキャリアチェンジの際に学びに戻ってこられる、エンジニアが生涯にわたって学び続けるためのプラットフォームとなる大学を目指しています。総合型選抜Ⅰは、中高生にこの入試を認知してもらって、数学や理科がテクノロジーやエンジニアリングにつながっていくことを感じてもらい、エンジニアの裾野を広げていく取り組みの一つでもあります」と安永氏は話す。合格者の入学後の適応度合いや他の学生に与える影響等については、1期生がまだ学部3年生ということもあり分析中とのことだ。学生と接して得ている印象としては、安永氏は「リテラシーの面では、1年次の数学・物理科目で苦労はするけれど、なんとかくらいついてクリアしていま学」及び「科学・工学」)の講義を受講び、簡単なキーワード概説を記述●どちらかの講義を選び、受講を通じて感じた入学までの学びの必要性について考察した内容を記述学びたいか」を記述た2つの問題から1つを選択し、図等も用いて解答す。他方で、コンピテンシーの面では、他の選抜区分の学生とは圧倒的な違いを感じます」と話す。木村氏も、「グループワーク等において主体性と協働性の高さを感じます」と続ける。基礎学力をどのように担保するかという点は、総合型選抜Ⅰの設計時より議論が続けられているそうで、2025年度入学者選抜からは、基礎学力を測るCBTを第1段階選抜に移すことで、「第1段階選抜では大学での学びに適応できるかという部分により重点を置き、入学者を選抜する私達の責任を果たしたい」と木村氏は話す。加えて、入学前教育を合格者に期待する特性をより生かした内容に強化することで、より多くの合格者がモチベーションを保って4月を迎えられるようにすることも検討しているそうだ。「これまでは通信教育で学びを継続してもらっていましたが、2月・3月の高校の自由登校の時期に月1回、グループに課題を課してオンラインで課題解決型実習を行うことを検討しています」と木村氏。「合格がゴールではなく、入学までに必要な学習はまだまだあるというメッセージを伝えていきたい。そして、入学前にグループによる教え合いを経験することで、入学後、他の選抜区分で入学してきた学生達とのピアラーニングの核となってもらえれば」と期待を寄せている。(文/浅田夕香)第1段階選抜学びの計画書第2段階選抜レポート総合型選抜Ⅰの概観課題解決型記述問題適性検査グループワーク第2特集●大学入学者選抜の現在地個人面接63
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