カレッジマネジメント239号
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安田女子大学・安田女子短期大学 学長安田女子大学は、広島市に所在し、7学部(文、現代ビジネス、家政、薬、教育、心理、看護)、学生数約5300名を擁する総合大学です。創立は1915年、ちょうど大正デモクラシーを背景に日本全国で大学の芽が多く出てきた頃、創立者・安田リヨウがまだ地方の小さな町だった広島に広島技芸女学校を設立したのが始まりです。そういう意味で安田学園の端を発するところは、閉塞感の中にもできることを前向きにやっていこうという気概の表れであり、それが今も学園の基本となっています。学園訓「柔やさしく剛つよく」は、安田リヨウが創立時に唱えた建学の精神で、人を思いやる優しさと、自らを支える力を示しています。そして柔しさと剛い意志を持って社会に貢献できる女性の育成を目指し、それを実現するための総合大学化ということで、女性の活躍するフィールドを作り続けてきました。創立から変わらない思いを体現した「柔しく剛く」の精神は、本学の伝統と習慣に息づき、教育の特長ともなっています。その一つが「安田の習慣」です。本学では、挨拶・制服・清掃・硬筆書写からなる4つの習慣を通じて、世の中や社会を見て、人と人との関係性を作る教育を行っています。まず挨拶ですが、挨拶ができない段階で人は関係性を築くことはできません。そのくらい重要だということです。これは新入生向けの「オリエンテーションセミナー(オリゼミ)」(後述)の時から言っています。制服は1918年から続く全国でも珍しい安田ならではの伝統です。社会にはTPOとして身だしなみを正さなければいけない時があります。見た目だけでなく心の持ちようも日頃から教えるという意味で、入学後約1カ月間と試験期間、式典や公式行事には制服を着用することとしています。清掃は「まほろば教養ゼミ」(後述)の中で定期的に学内清掃を行い、自分達が使う場所をきれいにすることを習慣づけています。硬筆書写は、パソコンの普及によって手書きの機会は減少しているとはいえ、名前一つ書くだけでその人の性格は分かるものです。大変ではありますが、硬筆の先生10人に15段階のステップを踏んで、丁寧に指導して頂いています。安田の習慣と並び、学園訓を体現する教育の特長に、まほろば教養ゼミとオリゼミがあります。まほろばとは、「人が生きていくのに心地よいところ」を意味する『古事記』に登場する言葉で、まほろば教養ゼミは、クラスメイトや担任、先輩・後輩との交流等で、縦横斜めの人間関係を築くきっかけを作る授業です。本学ではクラスごとにチューター(担任)制度を採用し、4年間持ち上がりで学生一人ひとりのフォローや相談に乗っています。まほろば教養ゼミはこのチューターによりクラス単位で運営されています。週に一度クラス全員が集まり、講話やディスカッショ68「柔しく剛く」女性の活躍するフィールドを開拓教育の特長として息づく「安田の習慣」まほろば教養ゼミとオリゼミ瀬山敏雄氏2025年に110周年を迎え、時代の変化に対応した8学部18学科体制へ

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