カレッジマネジメント239号
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75産業DX構築でリカレントニーズも視野に・現場でのDX推進のための教材・②生体指標測定による現場での振舞いのより効率的な取得アイトラッキング、筋電図測定、モーションキャプチャを用いた、経験則だけではない身体の振舞いの計測と理解・修得により、熟練者のスキル伝承を計測可能なかたちで行う。③VR/ARによる介護福祉DXのための教材開発VR/ARを活用して、様々な状況下での適切な振舞いや介護ロボットの利用法を身につけるための教材や、現場でのDX推進のための教材を開発し、卒業生が必要に応じて大学の設備を利用しつつ、地域の現場環境でのDXの検討を進める能力と、それに必要な基盤を構築する。これらは現場での介護実習を置き換えるのではなく、現場での実習と複合的に学生の能力をより深く開発するものだという。これらの3本柱に、従来から行っている「ICEモデルとアセスメントポリシーに基づく教育の内部質保証」「数理・DS・AI教育等との連携」「地域の介護福祉関連5団体との密接な連係・現場の知の着実なフィードバック」を掛け合わせ、教育を拡充し、継続性を確保していくという。今後について聞くと、「デジタル機器の分かる卒業生を送 伝統的に経験を通じたOJT的な側面が強かった介護の現場における身体の使い方について、最新の生体指標測定技術(アイトラッキング+筋電図測定+モーションキャプチャ)を利用し、そのプロセスのDXを行う。また実際にロボット(センサー系、駆動系、知能制御系)を利用・導入する教育プログラムを、VR/AR化することで、今後全ての介護関連施設が介護のDXを行わざるをえない状況に備えられるような連携体制を構築する。・今後欠かせないロボット技術(センサー系・駆動系・知能制御系)を実際に使った研修・それらをベースとした介護DX導入のPBL・地域の文脈でのDXのマニュアル作成・配布・様々な状況下での適切な振舞いや介護ロボットの利用法を身につけるための教材開発検討手段としての開発・アイトラッキング、筋電図測定、モーションキャプチャを用いた、経験則だけではない身体の振舞いの計測と理解、修得地域の介護福祉関連5団体との密接な連携・現場の知の着実なフィードバック・実習プログラムでの協力・現場ニーズの吸い上げ・本学教員・卒業生によるDXコンサルテーションAP事業(H28〜R1)で開発したICEモデルとアセスメントポリシーに基づく教育の内部質保証り出すのに加えて、早期退職等により学び直しをしたい準シルバー世代に対し、介護領域に進むことも選択肢の1つに考えてもらうことにも積極的に取り組みたい」と金成氏は力をこめる。「本学で4年間学べば、デジタルを含めた最先端の介護福祉のエキスパートになれます。また、例えばマッスルスーツは左右差を揃えながらトレーニングすることもできる。自ら健康長寿を目指すのに使えるのです」。人生100年時代、自らの健康も維持しながらより長くニーズのある領域で働き続けるために、セカンドキャリアとして介護を提案できる素地を作る。そのため、今後のシニアプランを考える準シルバー世代に短期で覚えてもらうために、いつでもどこでもアクセスしてVRでアセスメントして学べるシステムをしっかり作っていきたいという。アナログが普通の環境をどうやって意識変革していくのか。進んだ先に産業の未来があるように見通しながら、産業の高度化に向けて、一歩一歩着実に歩を進める動き。特にDX化は、大手法人は大掛かりなシステム変更等で対応できることでも、日本の大半を占める中小企業ではそうはいかないことが多い。デジタルと専門性をコーディネートする人材の必要性は介護に限らず、どの産業でも言われるところだ。東日本国際大学の取り組みから学ぶべき点は多い。リクルート カレッジマネジメント239 │ Jan. - Mar. 2024ふくしま医療機器開発支援センター福島県認知症グループホーム協議会公益社団法人全国老人保健施設協会・機材面バックアップ・現場・教育ニーズのフィードバック一般社団法人福島県老人福祉施設協議会一般社団法人全国介護付きホーム協会いわき連絡会(文/鹿島 梓)次世代介護福祉士育成プログラム図 採択事業概観東日本国際大学生体指標ロボット測定研修VR/AR

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