カレッジマネジメント239号
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経験値教育プログラムコアカリキュラム1年次から4年次まで学びの根幹に流れる「経験値教育」76リクルート カレッジマネジメント239 │ Jan. - Mar. 2024兵庫県尼崎市で57年の歴史を持つ園田学園女子大学。大学名は地域名の「園田村」に由来し、地域の女性の高等教育を支える存在として、地域に根差し、地域と共に歩んできた大学だ。この園田学園女子大学を最も特徴づけるものが、2002年から掲げている「経験値教育」だ(図1)。看護師、保育士、管理栄養士等の養成の学科を中心とする実学だけでなく、社会での実践という経験値を積むことで、社会人としての素養を育むことを目指す。さらに、この「経験値教育」の実践のために、学生と地域をつなげることにも取り組んできた。2013年にはCOC、2016年にはCOC+にも採択され、COC+では神戸大学、兵庫県立大学、神戸市看護大学とひょうご神戸プラットフォームで他大学との連携にも力を注いでいる。「経験値教育」の実践において、授業の組み立てや地域との連携はどのように進めているのか、そして少子化が進む中で地域に根差した女子大学の可能性はどのように広げていけるのか。同大学で「経験値教育」を牽引してきた大江 篤学長にお話を伺った。園田学園女子大学は「人間健康学部」「人間教育学部」「短期大学部」に加え、2021年度は「経営学部」を新設し、女性の教育に力を入れてきた。その中で掲げられた「経験値教育」は、学生が大学での専門分野の理論的な学びが、地域社会でどのように活用されるかを実感し、理論と実践を結びつけることを目標にしている(図2)。「経験値とは主体性、コミュニケーション力、気づく力、協働する力、考える力の5つの力。この力をつけるための全ての教育を『経験値教育』としています。カリキュラムはキャンパスの中と外で知識と実践を学んでいくものになります。失敗の経験も含め、あらゆる場面で気づき・行動・学びにつなげる循環型の教育を目指しています。これが社会に出たと園田学園女子大学 学長大江 篤 氏経験値SONODAコンピテンシー経験値教育社会連携部・学術情報部研究(input) 図1 経験値教育の全体像社会実装生涯学習(outcome)社会課題教育リカレント教育人間健康学部 専門科目 教養科目国際交流科目 地域志向科目つながりプロジェクト(2年) 課外活動大学DP学科DP(学位プログラム)女性・実学・地域・スポーツ人間教育学部短期大学部経営学部学科専門科目(4年)学科専門科目(3年)大学の社会貢献(1年)「経験値教育」を通じて地域とつながり、地域での存在感を高める地域連携で発展する大学 #8

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