77学生、先生、職員、地域が出会うつながりプロジェクトCOC+でS評価の経験値評価システムきの強さや逞しさ、いわゆる人間力をつけることにつながっていくものと考えています」(大江氏)。経験値教育のカリキュラムは1年次の講義科目「大学の社会貢献」から始まる。園田村の歴史から始まり、園田学園女子大学の建学の精神や地域課題への視点等を学び、2年次のPBL型授業のための基盤学習となっている。2年次に行われるのが地域志向のPBL型授業となる「つながりプロジェクト」。約300名の2年次全学生で学部学科横断のチームを作り、学外での地域課題の実践学習に取り組む。3年次、4年次は学科専門科目中心となる。特に資格取得科目は実習時間も多くなるため、その時間に専念し、専門知識を深める。このようなカリキュラムで、短大は2年、大学は4年の全体を通して経験値を高める設計となっている(図3)。経験値教育の中心となるカリキュラムが、2年次の「つながりプロジェクト」だ(図4)。その特徴はなんといっても2年次学生全員必修であり、全4学部横断のチームで取り組むということにある。「学生は違う学部・学科の学生とのつながりができますし、さらに先生、職員、地域の人達等、たくさんの新たなつながりもできます。地域に学生が入ることによって、地域の方々同士もつながっていく。まさにプロジェクト名の通り、“つながる”ことが大きな目的でもあります」プロジェクトは1チーム14名前後で、90分20回の2単位で実施。チームは用意された課題を選んで取り組んでいく。プロジェクトはバラエティーに富んでいる。昨年度は18のプロジェクトが稼働し、地域の商品開発プロジェクト「宝塚カレーグランプリ」や、地域のスポーツフェスタのボランティア運営、キッズイベントの運営等があった。プロジェクトでは違う学部・学科の学生・先生と取り組むため、課題解決の多様な考え方に出会うことになる。「本学の場合、国家資格の養成課程が多いのですが、実際に社会に出て地域の課題に向き合うときには、どの仕事でも多職種間の連携が求められてくるでしょう。つながりプロジェクトではこうしたことに取り組む『本気の大人に出会いましょう』と学生に伝えています」地域と連携したPBLや課題解決プログラムに取り組む大学はほかにも数多くあるが、学生一人ひとりの活動の評価方法に課題を持つ大学も多いのではないだろうか。園田学園女子大学では、つながりプロジェクトの活動評価を可視化するために独自の「経験値評価システム」を稼働させている。システムは「経験値アセスメント」「つながり評価」2つの項目で構成される。「経験値アセスメント」は、自身の経験値を60項目にわたっ3・4年次2年次1年次各専門科目の知識を深める尼崎市の地域課題に即したテーマについて、企画、提言を行うPBL型の演習科目。学生は学部学科横断のチームで取り組む。講義で大学が立地する尼崎市の特性と課題を学ぶ。2年次で必修となる授業「つながりプロジェクト」の基盤となる。リクルート カレッジマネジメント239 │ Jan. - Mar. 2024図2 理論と実践が次の学びに発展する「循環型の教育」図3 経験値教育プログラムのコアカリキュラム学科専門科目つながりプロジェクト(演習/通年・必修)大学の社会貢献(講義/半期・選択)学ぶSONODAの経験値教育動く体験気づく
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