カレッジマネジメント240号
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********11特集1影響があるのは人事である。標準化係数の数値が大きいほどその影響力が強く、有能な人材が採用され、人事制度の納得性が高く、職員の自己啓発が奨励され、能力や適性が生かされた人事異動が行われているほど、将来を担う人材が育っている。職場の雰囲気については、常勤・非常勤の仕事の割り振りが適切であること、成長機会については、職員の意思決定への参加の機会があることが、業務については、スクラップ・見直しの実施や効率化が行われることが、将来の人材が育つうえで重要である。なお、設置形態別の差は見られず、職位別には上位職者ほど将来を担う人材が育っていないと感じている。(定数)設置者(ref私立)国立公立役員・管理職職位(ref一般専任職員)初級管理職嘱託・派遣・その他有能な人材が採用されている能力や適性が生かされた人事異動が行われている人事個人目標と組織目標の関連付けが意識されている職員の自己啓発を奨励している人事制度に対する納得性が高い自分の意見や提案を言いやすい雰囲気がある職場教員との間に信頼関係が成り立っている常勤職員・非正規職員の仕事の割り振りは適切だ職員が意思決定に参加する機会が少ないコロナ禍を契機に意思決定に参加する機会が増えた成長機会学内プロジェクトの経験他大学等の勤務経験就職後の学外研修の経験コロナ禍を契機に業務の効率化が進んだ業務業務のスクラップ・見直しが適宜実施されている仕事で一定の成果が出るまで同じ担当者に関わらせる(注) 職員調査から作成。***は0.1%、**は1%、*は5%水準で有意。 統計的に有意な変数に色を付け、標準化係数がプラスの場合はピンク、マイナスの場合はブルー調整済み R2 乗F 値「職員の仕事は大学の発展に貢献している」かについても最も大きな影響があったのはやはり人事である。有能な人材の採用、自己啓発の奨励の影響が特に大きく、他にも個人目標と組織目標の関連付け等も重要である。職場の雰囲気については、常勤・非常勤の仕事の割り振りの適切さに加えて、自分の意見や提案が言いやすいことや教員との間の信頼関係も重要である。成長機会については学外研修の効果、業務については、一定の成果が出るまで同じ担当者が関わることが効果的であることが分かった。なお私立に比べて、国立で肯定回答が少ない傾向も見られた。将来の経営を担う人材が育っている標準化係数0.026-0.004-0.098-0.0580.0100.2190.0910.0700.1040.1440.0120.0060.051-0.0440.049-0.0090.0030.0030.0420.1170.0270.37656.535****************************職員の仕事は大学の発展に貢献している標準化係数有意水準有意水準-0.086-0.0200.0410.0230.0000.1690.0510.0680.1230.0680.1290.0520.061-0.0400.0000.032-0.0480.0610.0310.0340.0610.27035.085**************************表2         目指す職員像の規定要因分析(重回帰分析)職員調査大学と人的資本経営

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