カレッジマネジメント240号
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7637425543213特集1職員調査で全体の状況を見ると、「自分の意見や提案を言いやすい」、「教員との間に信頼関係」はいずれも肯定回答が76%と雰囲気は悪くないが、「常勤・非常勤の仕事の割り振りが適切」は53%で課題があると認識されている。「そう思う」「ある程度そう思う」「あまりそう思わない」「そう思わない」で尋ね、「そう思う」の割合を職位別に示した(図3)。「常勤・非常勤の仕事の割り振りが適切」については、嘱託等の非専任職員が最も低く評価している。専任職員の評価も高くないが、それ以上に非専任職員の評価が低いのは深刻である。また、意見や提案の言いやすさは一般専任職員が最も高く、教員との信頼関係は嘱託等で最も高く、逆に役員・管理職、初級管理職は低い傾向を示した。なぜなのか。ひとつには教員といっても立場によって関わっ自分の意見や提案を言いやすい雰囲気がある教員との間に信頼関係が成り立っている常勤職員・非正規職員の仕事の割り振りは適切だ(国公立)役員会(私立)理事会(国公立)経営協議会(私立)評議員会大学の政策立案・調整会議171618111114不参加38国立26公立私立22国立20公立22私立1418国立公立私立35(%)2320(注)職員調査より作成。4件法で尋ねた「そう思う」の割合陪席者として参加メンバーとして参加6836807268969592ている教員が異なることの影響が考えられる。詳しい数字は省略するが、仕事上、誰と関わっているのかを尋ねたところ、一般専任職員、嘱託等は学内の一般教員との関わりが多く、役員・管理職になると学内の管理職や執行部との関わりが多い。事務局長の会議体への参加状況を見ると(図4)、大学の政策立案・調整会議等非公式な会議には正式メンバーとして参加していることが多いが、法定の意思決定機関や諮問機関には陪席や私立では不参加のケースも一定数、存在している。意思決定の場に対等な立場での参加が限られていることが、職位が上の職員ほど自分の意見や提案の言いやすさや教員との信頼関係をより低く感じることにつながっているのかもしれない。役員・管理職初級管理職一般専任職員嘱託・派遣・その他(%)6042図3        職場の雰囲気図4        事務局長の会議体への参加事務局長調査職員調査大学と人的資本経営意思決定の場に対等な立場での参加が限られていることが、職位が上の職員ほど自分の意見や提案の言いやすさや教員との信頼関係をより低く感じる要因になっている職場環境の現状と課題

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