カレッジマネジメント240号
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4男女男女男女男女男女男女男女男女14学外研修・情報交換会への参加学内プロジェクトへの参加他大学・機関での勤務経験学内外のロールモデルとの交流(注)職員調査より作成。成長実感は経験したものを分母に計算。これらの経験からの成長実感を4件法で尋ねた肯定回答(「とても成長した」「成長した」を合算)の割合を示した。職場が提供できる職員の成長機会として、学外研修・情報交換会への参加、学内プロジェクト参加、他大学・機関での勤務経験、学内外のロールモデルとの交流等がある。学外研修・情報交換会への参加は80%、学内プロジェクト参加は72%と多くの者が経験した一方で、他大学・機関での勤務経験やロールモデルとの交流は4割弱程度しか経験していない。また、経験した者のうち成長を感じている者の割合は他大学・機関での勤務経験では77%だが、学外研修、学内プロジェクト等は6割強しか効果を感じていない。より効果的な機会にしていくよう工夫・改善が必要であろう。さらに、ここで考えたいのは成長機会が公平に与えられているかである。前節で常勤・非常勤の仕事の割り振りの適切さに課題があることを述べたが、本節では性別の違いに着目してみた。令和4年度の学校基本調査によると、医療系を除く本務者は男女がほぼ同数でわずかに女性が多い。しかし、私達の調査から算出した女性比率は、事務局長7%、役員・管理職17%、初級管理職43%、一般専任職員56%、嘱託等90%となっている。均等に機会が与えられた結果なのだろうか。表3を見ると、成長機会の経験率経験率87%80%62%72%82%72%65%61%44%39%79%33%40%35%28%44%成長実感61%64%20歳代66%64%30歳代78%40歳代81%41%51%50歳代はいずれも男性が高い。他方で成長実感を見ると、学内プロジェクト参加以外は、女性のほうが同じ機会からより大きな成長を実感している。以上は職員全体の比較で、年齢や職位の違いが反映されている可能性もあり、年代ごとに男女の経験率の違いを表4に示した。いずれの機会において、またどの年代においても男性の経験率が高い。紙幅の都合で表は割愛するが、誰と仕事をしているのかについて、同じ職位で比較しても男女差がある。役員・管理職になると誰と良く仕事をするのかに性別による統計的な差はないが、初級管理職の場合、学内の管理職・執行部と「よく関わっている」のは男性40%、女性28%、国内の他大学の教職員と「よく関わっている」のは男性21%、女性は16%であった。逆に一般専任職員の場合、学内の教員とよく関わっているのは男性46%、女性55%、学生とよく関わっているのは男性28%、女性30%であった。誰と仕事をするのかによって、見えてくる課題や抱く問題意識も異なってくるはずである。多様な構成員に幅広く機会を与えているか、そこにアンコンシャスバイアスが働いていないか、今一度、振り返ることも重要ではないか。学内プロジェクトへの参加学内外のロールモデルとの交流70%56%82%61%81%64%86%62%学外研修・情報交換会への参加27%73%21%60%37%85%28%76%43%91%28%75%43%90%32%74%表3        成長機会の経験率と成長実感職員調査表4        成長機会の経験率の男女差職員調査成長機会の経験率は男性が高い。成長実感は、女性のほうが同じ機会からより大きな成長を実感している傾向成長機会の現状と課題

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