カレッジマネジメント240号
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17特集1人事制度職場の雰囲気成長機会業務人事制度職場の雰囲気成長機会業務【引用文献】両角 亜希子2022「大学職員の採用・育成の課題」『IDE現代の高等教育』No.646、9-14頁両角 亜希子、山田道夫、高木航平、平井陽子 2022「国立大学の事務局組織の統括方法とその変化」『大学論集』第54集、37-53頁両角 亜希子、王帥2023「大学の事務業務とその効率化の規定要因」『大学論集』第55集、55-71頁両角 亜希子2023「業務改革の規定要因」『IDE現代の高等教育』No.653、46-52頁以上の分析の結果を表5にまとめた。職員の力を大学の発展に最大限に生かしていくために、人事制度、職場の雰囲気、成長機会、業務が重要だが、いずれの点も現状で様々な課題があることが分かった。全ての点で共通して言えることは、多様な職員の意見を改革に活かしていくことの有用性である。多様な人が働きやすいワークライフ採用・研修・評価などいずれも重要多様な職員の適切な仕事の割り振りが大事意思決定への参加が大事効率化や見直しが重要優秀な人材を採用しても十分に活かしていない、評価制度や研修支援に課題人によって感じ方が異なっている職員の意思決定参加が不足。成長機会が必ずしも活かされていないし、機会の偏りがある試行錯誤しているものの、改革の効果をあまり感じていない将来の経営を担う人材が育っている現状の課題バランスのみならず、成長機会や意見を言う場を非専任職員や女性職員等に広げ、十分に対話しながら進めていくことが必要なのではないか。近年、多くの領域でダイバーシティ経営の重要さが指摘されるが、職員組織においてもそれを意識的に推進することが必要なのではないか。採用・研修・評価などいずれも重要意見を言いやすい雰囲気や教員との信頼関係、多様な職員の適切な仕事の割り振りが大事学外研修の効果はあるが、学内プロジェクトの効果は見られない一定の成果が出るまで関わることが重要職員の仕事は大学の発展に貢献している表5 本分析から明らかになったこと大学と人的資本経営多様な職員の意見を改革に活かしていくことの有用性に着目6ダイバーシティ経営の視点の重要性

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