カレッジマネジメント240号
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指導・管理職実務・監督職Career Step01Case Studies京都芸術大学は、近年急速な勢いで志願者数を伸ばしている。2023年度入試における通学部の志願者数は前年度比110.3%の8873人。2年連続の増加となり、5年前の2018年度と比較すると倍増となった。また、同大学は1998年に芸術系4年制大学として初めて通信教育部を設置し、社会人層への芸術教育に進出。2013年度には完全オンラインの芸術教養学科を開設する等、この領域でも先駆的な存在として成果を出し続けている。では、このような京都芸術大学の成長・拡大に職員はどのように貢献しているのだろうか。また、それが実現できる職員をどのように育成しているのだろうか。同大学を運営する学校法人瓜生山学園の髙久正史理事に話を聞いた。髙久理事は、人材の育成・評価においても、根本にあるのモチベーションの起点は建学の理念等級は7段階に分かれ、上位に行くほど役割が拡大し、貢献レベルも給与水準も上昇していく事例26上位等級へのステップアップを視野に入れ、役割を拡大していくことにより、自己成長を図りながら、影響範囲を広げ、貢献レベルを向上は「芸術による創造教育の普及を通じて平和で豊かな社会を築く(藝術立国)」という建学の理念だと強調する。「本学では、この理念が教職員の間に浸透しています。その実現のために本学は成長し続けなければならない。その意識も共有されていますから、教員・職員ともに事業の普及拡大にポジティブです」建学の理念とともに、教職員の行動の軸となっているのが、「学生こそが大学の主役(学生本位)」という考え方だ。これを徹底させることにより、学生のために改善を続けることへの職員のモチベーションも高いという。このような組織文化が土台としてあり、さらに2017年度に新人事制度を導入したことが職員の改革・改善への意識をより鮮明にさせた。M3M2M1MP学校法人瓜生山学園財務担当理事髙久正史 氏処遇 育成育成評価制度図1 京都芸術大学の役割等級制度LED2D1役割等級制度評価処遇制度(給与・賞与)(給与・賞与)エグゼクティブマネジメントコアマネジメントマネジメントプロフェッショナルリーダーエキスパートシニアスタッフスタッフ各等級に期待し求める役割に基づく京都芸術大学人的資本を重視し改革を進める大学人材の力を最大限に生かすための採用、育成、評価や能力開発、体制構築によって、新たな時代の大学経営を実践する大学の事例を紹介する。人事評価に役割等級制度を導入し、挑戦する職員の改革への意欲を後押し

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