カレッジマネジメント240号
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集41特リクルート カレッジマネジメント240 │Apr. - Jun. 2024知的集約型社会への構造転換期である今。人材に期待されるものは、定型業務をこなすことから、より知恵やイノベーションの創出へと大きくシフトチェンジしている。そして、人材が力を高めることで組織の価値を高める「人的資本経営」に対する注目が高まっており、企業においては経営戦略における「人的資本」の重要性が重みを増している。今や「人的資本経営」というキーワードをニュース等で目にしない日はない。上場企業に対して情報開示が義務化され、リスキングが政策として打ち出される等、人的資本経営への取り組みはさらに加速している。翻って、大学は人の集合体であり、人が「教育」や「研究」といった「知的資本」を生み、無形の価値を社会に提供する組織であり、最も「人」の資本比率が高いのが大学という組織である。従って、企業のあり方以上に「人的資本」の重要性が占める割合が高いことはいうまでもない。果たして大学に関わる全ての人材を「資本」として捉え、戦略にアジャストさせながら、その力を最大化するための方策を打つことができているのだろうか。そして、そこにどのような課題が見えているのか。本特集では、人材に期待し、適正な投資をし、正しく評価し、育成し、組織全体の力を活性化させることによって大学の改革を実現し、大学の中長期的な価値の向上を目指す営みを、「人的資本」を軸に考えてみた。大学と人的資本経営

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