カレッジマネジメント240号
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社会人対象のオンライン大学設置構想学校法人大原学園 理事長専門教育と社会人教育の両輪で学生を支えるオンライン化を軸に新たな総合教育機関を目指す大原学園グループは、東京都千代田区に所在し、幼稚園・高等学校・専門学校・会計専門職大学院、日本語学校等を展開しています。1979年の学校法人設立以来、グループ校総数は全国に115校、専門学校の入学者数は1万人超の日本最大級となります。さらに、2025年4月には新設大学の開学を目指し、現在設置認可申請中です。本学園の教育の特徴は、主に専門学校において、将来社会人として立派に活躍できるように、専門的な科目に加えて社会人に必要な基礎力を身につける教育を行ってきたという点です。当初は、簿記学校に通われる方は税理士・公認会計士試験を目指す社会人が中心だったのですが、専修学校制度ができたことで高校新卒者が増え、会計教育だけでは社会で通用するのは難しいということで、両方を併せて教えるようになったのが歴史です。このように大原と聞くと税理士や会計士の業界で知らない方はいないと思いますが、“簿記の大原”のイメージがあまりに強すぎて、それ以上の学校へと展開していくためには、そのイメージからの脱却は避けられないと感じています。私は2023年4月に理事長に就任しましたが、人口減少やSociety 5.0時代へと社会環境が変化するなかで、これまでのやり方に固執していたら、変革の大きな波に乗り遅れてしまうと感じています。そこで新たな大原学園グループの姿として、幼稚園、高等学校、専門学校、大学、大学院、社会人向けの生涯学習講座を持つという本学園のプレゼンスをもって、学ぶ意欲のある幅広い層に学習機会を提供する「総合教育機関」となることを目指しています。教育方針もブラッシュアップし、「将来の社会発展、平和のために、学習意欲がある全ての世代の方にいつでも、どこでも、誰もが学べる機会を提供し、将来の社会の発展、平和に寄与できる人材の育成」を掲げました。そしてそのための具体的な施策として、①生涯学習講座の充実化、②大学の新設、③高等学校教育の充実・拡大を図っていきます。①から③の全てに共通するキーワードはオンライン化です。まず生涯学習講座ですが、これまでは難関資格を取得するための講座が多かったので通学型が主流でしたが、可能な限り授業のオンライン化を進めています。その次のテーマは3Dだと思うので、今後は2Dから3D環境への移行も視野に入れています。一方、世の中はデータサイエンスやAIの学習が必須となるため、これまで専門学校で培ってきたITやデータサイエンス系のノウハウを生かし、生涯学習講座としても講座を新たに追加し、リスキリングのニーズに応えていこうとしています。大学については、新設大学として東京経営大学(仮称)の2025年開学を目指し、現在設置認可申請中です。こちら66中本毎彦氏学習意欲がある全ての世代に学びの機会を提供する「総合教育機関」へ

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