カレッジマネジメント240号
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71国土やインフラの維持管理に必須の技術ザ測量が一般的です。地面に設置したり航空機やドローンに搭載して空から測量したり、自動車に搭載して走行しながら測量したりと、その方法は多様化しています。こうしたレーザ測量で生成された膨大な『点』の集合体である点群データは、デジタル都市空間の構築や技術開発、マーケティング活動、スマートシティや自動運転のような社会実装等、様々な分野で利活用できるポテンシャルを秘めています」と今井氏は述べる。例えば、東京都はサイバーとフィジカルを融合させたデジタルツイン形式で、フィジカルで取得したリアルタイムデータをサイバー空間で分析・シミュレーションし、再びフィジカル空間にフィードバックするという形で都市を管理していく「デジタルツイン実現プロジェクト」を推進している。こうした技術はコロナ禍での人流計測や感染者予測といったアウトプットで一般的にも目リクルート カレッジマネジメント240 │ Apr. - Jun. 2024都市環境デザイン工学科 教授デザイン工学部今井龍一 氏による新たな価値創出データサイエンス(DS)教育の最前線法政大学は2022年度文部科学省「デジタルと専門分野の掛け合わせによる産業DXをけん引する高度専門人材育成事業」(産業DX)に、「都市経営を担える『デジタル×都市』のデータサイエンティストの育成」が採択された。その内容について、デザイン工学部都市環境デザイン工学科の今井龍一教授にお話を伺った。今井氏は日本工営株式会社や国土交通省等の勤務を経て現在の研究を行っている。研究の柱は「国土を測って可視化・分析すること(測量)とそれに付随したハード系の研究」と「人流データや自動車の走行軌跡といった人の動き・交通に関する研究」の2つだという。「前者の研究では現在レー図 事業概要事例report_17 法政大学「データサイエンスの大きな可能性を社会にどう生かすか」実社会に即した教育の高度化に資する事業採択

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