カレッジマネジメント240号
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と働く学ぶ4384日本で稀有な株式会社立大学学生が夢中になり、自分に目覚めるカリキュラムを作るデジタルハリウッドは、1994年に社会人向け専門スクール開校、大学院設立を経て2005年に学部を設置、「デジタルハリウッド大学」開学となった(いずれも文科省認可)。学校法人ではなく株式会社立の形態で、独自の教育・研究及び大学運営を展開している。今回は、事務局長(デジタルハリウッド大学 事務局長)の池谷和浩氏、キャリアセンター長の座間味 涼子氏のお二人にお話を伺った。事務局長の池谷和浩氏は「デジタルハリウッド大学は、コンピュータ・グラフィックスを教えるとか、デジタルクリエイターを育てるとかの大学ではありません」と言う。「コンピュータとインターネットが、人類の生活に無くてはならない社会基盤となった今、デジタルコミュニケーションの本質を理解した人材を育成することが急務である」という杉山知之学長の想いからスタートし、「これからの未来を生き抜ける力を身につける人を育てる」ことを、設立時から大学の根幹としている。「杉山先生はよく、デジタルハリウッドは『そうなってしまう場所』なんだという言い方をします。なぜか自分に目覚めてしまう、やるべきことが見つかってしまう」(池谷氏)。「そうなってしまう」ために大学が腐心するのが、「学生が夢中になり、自分に目覚めるカリキュラムを作る」。今年度(2024年4月)発表した中長期構想「DHU 2030 Proto Design」で定めた「1つのミッション、3つのビジョン、9つのシナリオ、27のゴール」では、シナリオの1番に掲げられている。専攻を分けることをしない「デジタルコミュニケーション学部デジタルコンテンツ学科」1学部1学科の編成は、「自分に目覚める、クリエイティブに生きていく自覚を持つ、好きなものを見つけて、伸ばしていく」という考え方による。学生一人ひとりは、大学スタッフからゴールの25番「学生の希望を個別に把握し、行動の障壁になるものを取り除き続ける」というサポートを受け、「その人のなりたい姿」に合わせて履修を調整していく。カリキュラムフローもまた特徴的で、一般的な大学教育とは全く逆に、1年次に専門科目があり、2年次以降に教養科目という順序になっている。「映像やCGの作り方を1年次でひととおり教わって手を動かせるようになると、制作の課題が複雑になり、自分らしいアウトプットもしたくなってくる。例えばゲームのキャラクターの名付け一つ事務局長池谷和浩 氏キャリアセンター長座間味 涼子 氏をつなぐデジタルコミュニケーションの本質を理解した人材を育成デジタルハリウッド大学

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