高い偏差値低い17流入率の高いエリアは流出率も高いジャンクションエリア主体的な移動をどのように促すか2位東海 62.6%、3位九州・沖縄 56.4%となる。自らの学力帯に合う大学が地元にないといった事情が垣間見える。次に、大学進学者を母数に、進学してきた学生の出身地域に応じて「同一都道府県内進学者(緑)・同一エリア内異都道府県進学者(水色)・異なるエリアからの進学者(青)」で区分した図表4-1を見てみよう。同一都道府県内進学者が多いのは、1位北海道 74.1%、先と同様に、特に「異なるエリアからの流入」についての傾向を図表4-2にまとめたが、流入率が低いのは九州・沖縄、東海エリアの大学である。一方で流入率が高いのは、北陸、北関東・甲信越、四国、中国といったエリアとなった。これらのエリアは先に見た「流出率が高い」エリアでもあり、交通網の発達等により流出も流入も通過もしやすい状況にあるのではないだろうか。また、興味深いのは「流出しない」傾向の高かった近畿、南関東において、流入観点で見ると、自県、自エリア他県、他エリアの割合が3~4割で県内国公立ゾーン 偏差値60〜 県内シェア30%前後私大中位ゾーン 偏差値50〜 県内シェア40%前後私大中下位ゾーン 偏差値〜45 県内シェア20%前後私大下位ゾーン 偏差値BF〜40 県内シェア10%前後図表5 地域別大学マーケット模式図(イメージ)※偏差値・シェアは目安・イメージ拮抗していることだ。当然個々の大学によって差はあろうが、全体として見ると、流出しない層で形成されるのは全体の3割程度の集団であり、残りの6~7割は自エリア他県、他エリアで構成される、多様性の高い集団となっていることが分かる。逆にこの平均値よりも自校の流入状況が芳しくない場合、越境してくる学生に選ばれていない可能性が高いともいえそうだ。第1章で若者が移動するタイミングとして多いのは進学と就労であることに触れたうえで、第2章で進学における流入出を見てきた。では若者はなぜ移動するのか。データだけでは判別しづらいところではあるが、本稿では筆者主観を含め以下に移動要因を整理したい。まずは、本人が何らかの目的意識を持ち、学びたいことを求めて・あるいは地元外で挑戦したいという意志をこめて越境していくパターン。これが最も望ましい移動ともいえそうだ。地方から都市部に出ることもあれば、都市部から地方に挑戦しに行くというパターンも当然考えられ都市部の偏差値中上位大学へ流出特集1若者はなぜ移動するのか地域別大学マーケットの構造不況要因①:私大上位層の流出地域別大学マーケットの構造不況要因②:下位私大マーケットの停滞
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