25結びに変えて学生を含めた若年層において「転勤を好まず」といった、ある種特定の地域での就業を希望していると聞くが、このことに関連したデータを2つ紹介しておきたい。当研究所が発表している「大学生の働きたい組織の特徴」の中で、「特定の地域で働く(A)」と「全国や世界など、幅広い地域で働く(B 以下、幅広い地域で働く)」とではどちらを支持するかについて聞いているが、これを時系列で見ると(図表4)、「幅広い地域で働く(B)」の支持者は徐々に低くなってきてはいるものの一定数いるのだが、「特定の地域で働く(A)」の支持者は、2014年卒では約6割だったのが、2024年卒では約7割と、年々増加傾向が見られる。働きたいと思う組織を選ぶ際に重視する項目(図表5)のうち、「希望の勤務地に就ける可能性が高い」を見ると、2017年卒では45.3%だったが、2024年卒では61.2%と15.8ポイント高くなっており、勤務地を重要視してい図表5 働きたいと思う組織を選ぶ際に重視すること(上位10項目抜粋) 大学生(複数回答) 業績が安定している福利厚生や給与等、制度や待遇が魅力的である自分のやりたい仕事(職種)ができる社員や社風が魅力的である労働時間や勤務スタイルに魅力がある自分が関心のある事業/分野に取り組んでいる希望の勤務地に就ける可能性が高い育成に力を入れている性別に関係なく働きやすい会社である企業理念やビジョンが魅力的である20※レポート全体はリンクを参照https://shushokumirai.recruit.co.jp/study_report_article/20240329002/参考)「特定の地域で働きたい学生が増えているのはなぜか?」(林 2023)406060.347.556.445.357.051.054.842.652.747.2る傾向が見られる。また、自分の希望する企業等があるかないかも重要と前述したが、「自分のやりたい仕事(職種)ができる」が2024年卒では7割を超えていることからも、重要視していることがうかがえる。就業経験があまりない学生にとって、就職すること自体に不安な一面も持っているため、馴染みのない地域での生活を考えると、より不安となるのだろう。社会人としてスタートするには、馴染みのある地域の方が安心するのもうなずける。働き方を含めた個々人の価値観について尊重しながら、本人の視野に入っていない選択肢等をどのように提示することが望ましいか、改めて検討する余地はあると思われる。また、個々人の価値観に歩み寄るような人事制度改革を行ってきている企業等も見られ、変化してきていることも事実である。価値観は変わらないものではなく、企業等もこれに伴い変化すると思われるため、当研究所でも研究し続けたいと考える。80(%)75.664.675.473.165.066.261.266.063.52024年卒2017年卒61.2出典:「働きたい組織の特徴調査」2017・2024年卒2017年卒からの増減幅(ポイント)11.015.18.24.918.57.015.86.012.25.5特集1若者はなぜ移動するのか
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