34廃校寸前からのV字回復Interview視点提供インタビュー 1988年株式会社リクルート入社。一貫して人材ビジネス領域に携わり、就職・転職サービス『リクナビ』事業を立ち上げる。2004年人材サービス領域担当執行役員、その後人事取締役として、人材育成PDSの構築、採用・育成・抜擢要件の構築、次世代経営者育成プログラムを構築。2009年リーマン・ショック後の事業再生を指揮し、株式会社リクルートキャリア初代社長に就任。2017年3月より『地域・教育魅力化プラットフォーム』代表理事(現会長)として「地域みらい留学」事業を開始。“意志ある若者の育成”と“地域の持続可能経営”の両立を目指す。●島根県隠岐の島 海士町・特別経営補佐官●隠岐島前高校・学校経営補佐官●学校法人 『社会人大学院大学 至善館』 理事・特任教授●(株)デジタルホールディングス 社外取締役※ほか、内閣官房「教育再生実行会議(高校改革 WG)」、経産省「未来の教室」「人材力強化研究会」 、環境省「ポストコロナ時代のサステナブルな社会の在り方研究会」等各種委員を歴任一般財団法人地域・教育魅力化プラットフォーム 会長・理事2006年頃存続の危機にあった。しかし、離島で高校がなくなると15歳で本土の高校に下宿するか、親ごと・仕事ごと離島せざるを得ない。つまり、高校の廃校はタイムラグのある島の消滅に直結してしまう。ここに強烈な危機感を持った海士町の大人達によって、全国から入学者を募る「島留学」を旗印に、「隠岐島前教育魅力化プロジェクト」が始まった。水谷氏は2016年頃からそこに加わり、2017年に高校魅力化を全国に横展開する一般財団法人地域・教育魅力化プラットフォームを設立した。「海士町で起こっていたことは、全国の地域の先行モデルです。だからこそ、高校を核にした地域の魅力化は、様々な地域に応用できます」と水谷氏は話す。島根県海あまちょう士町の隠おきどうぜん岐島前高校をご存じだろうか。「島留学」と称して島外から人を呼びこみ、島内全域をフィールドにした島ならではの教育を展開し、廃校寸前からV字回復を遂げた高校として知られている。現在、島は次の展開として、「大人の島留学」なるプロジェクトを展開し、人口2300名の島に毎年100名もの若者が集っている。この2つの島留学事業を手掛けると共に、同様のモデルの全国展開を手掛ける地域・教育魅力化プラットフォームの会長・理事を務める水谷智之氏に、事業内容や地域に人を呼び込む方策について聞いた。まず、隠岐島前高校の取り組みについて確認しておきたい。隠岐島前高校は廃校寸前という危機的状況から、「島留学」を起点に全国各地から生徒を集め、推薦倍率約2.0~2.5倍、県外からの留学生6割、島内生4割という比率の人気校に変貌した県立高校だ(図1)。所在するのは島根県本土から60km、フェリーで2~3時間かかる離島の海士町。戦後7000名いた人口は現在2300名にまで減少し、高齢化が進み、厳しい財政状況を抱える。隠岐島前高校も水谷智之氏唯一無二の教育の魅力化で地域への人流を創出
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