37関係人口とは島の未来を創る覚悟のある人のこと者はどのような意味か。国によると、関係人口とは「特定の地域に継続的に多様な形で関わる人のこと」で、非常に広義で曖昧な概念だ。海士町の定義では、「海士町を好きになり、海士町のためなら等価交換以上のエネルギーを使おうと思ってくれる人」を指す。その定義を当てはめるならば、「海士町のことは知らないが、サイトで見つけた海士町特産の牡蠣の返礼品を食べたいからふるさと納税で納税してくれた人」や「一度は隠岐に行ってみたいと宿泊してくれた観光客」は関係人口には含まれない。「自分の割に合うかどうかを超えて海士町の未来のために何かをしたいと思える人をどれだけ外に作れるかということです」(水谷氏)。その象徴は隠岐島前高校の卒業生や大人の島留学の卒業生だ。卒業後は住民票がなくても年単位で滞在し、この島に育んでもらったという実感値を持って島を出る彼ら・彼女らは、第二の故郷とも言える海士町のために何かをしたいというエネルギーを持つ。こうした層を増やしていくことは、都図2 滞在人口受け入れ計画(R2.10-R8.3)会と若者を取り合うのではなく、海士町のファンをどれだけ増やせるのかということになる(図2)。「今の島を支えているのは間違いなく島民の方々ですが、島の未来を創る覚悟のある人を増やさなければ、島が消滅してしまう。島民に応えることは町の経営において大切ですが、そこの満足を作っているだけでは未来は作れないのです。外にいるまだ見ぬ若者達に選ばれ続ける覚悟を決めた地域にしか、未来は来ません」と水谷氏は断ずる。未来を創る資産をどのように増やしていくのか。その核となるのは「都会の真似事」ではなく、「都会が真似できない地域の魅力」そのものなのだ。「都会でできないことを研ぎ澄ますとどこまでいくのかを徹底したい」と水谷氏は述べる。そして、魅力化プロジェクトを通して最も変わったのはまさに「島民の意識」だという。「自分達は都会に比べて島はダメだと思っていたのに、親元離れて飛び込んできた高校生達は、都会より島のほうがはるかに素敵だと言う。その視線を浴びて、『絶対最高の3年間にしてあげなければ』と、島の活力が上がる。高校生が神輿を担いで地域の祭りが復活したり、潰れそうだった商店が高校生のアイデアで復活したりと、たとえ短期で特集1若者はなぜ移動するのか2020年10月2021年10月2021年2021年7月4月※本移住:前年度までに大人の島留学を終え、就職などを通した本移住した人 ※還流人材:本移住を選択し、その後(1年以上)も暮らしている人3カ月延長者2022年10月2022年2022年2022年2023年4月7月1月1月1年複合組合本移住2023年2023年2024年2024年2023年10月4月4月7月1月2024年2024年10月2025年2025年2025年4月7月7月1月還流人材2025年10月2026年1月
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