カレッジマネジメント241号
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43認証評価の20年を振り返る第3期の評価結果から見えてきたことContribution寄稿認証評価が開始されてからはや20年。認証評価は7年以内ごとに受審しなければならないので、既に3回の認証評価を経験している大学も相当数に上る。その認証評価の評価方法がどのように変化してきたのかを最初に確認しておこう。第1期(2004~2010年)は、何かを重点的に評価するというより、認証評価機関は大学設置基準の順守状況を中心に、比較的網羅的な評価を行っていた。既に独自に大学評価を実施していた大学基準協会の評価を受けた大学以外の大学にとっては、外部評価を受けるための自己点検評価報告書をまとめるだけでも大変な作業だっただろう。第2期(2011~2017年)になると、教育の質への関心が高くなったことを背景に、シラバスの全科目についての記載確認、厳格な成績評価、単位の実質化等、設置基準への適合性の評価がより詳細かつ厳格に行われた。大学院についても、学位論文審査基準の明示、研究指導計画に基づく研究指導、学位論文作成指導等が新たに評価の対象となった。第3期(2018~2024年)には、評価の方向性が大きく変わった。認証評価機関の活動を規定する「細目省令」(学校教育法第百十条第二項に規定する基準を適用するに際して必要な細目を定める省令)に「内部質保証」が加わり、認証評価機関は「内部質保証」を重点的に評価することとされたからだ。第2期で厳格化された法令順守事項等はデータとして提出を求めるものの、評価の中心は大学の内部質保証体制の確立とその機能の有効性の確認へと移行した。さらに、内部質保証の中心は教育の質保証であり、学位授与方針、教育課程の編成実施方針、学生の受け入れ方針を設定し、その方針に従って学修成果が得られていることが教育の質の証左であるという、一見すると分かりやすく論理的な質保証の筋道が出来上がった形だ。このように認証評価は、設置基準のチェックの厳格化から、大学による自律的な内部質保証の取り組みの評価重視へと変化していった。大学は内部質保証重視の評価にどう対応できているのだろうか。認証評価機関が内部質保証を評価する際に評価基準に示した共通する基本的な要素は、①内部質保証についての方針が明文化・規定化され、②その方針に基づく内部質保証体制が確立され、③その体制が有効に機能していることである。この要素について、具体的に評価結果を公表している認証評価機関の評価結果から確認してみよう。表1は、大学基準協会と日本高等教育評価機構の2023年度の4年制大学の評価結果から内部質保証について指摘のあった大学の数を表にしたものである。現在、4年制大学の認証評価機関は5機関ある。先述の認証評価機関以外千葉大学 名誉教授特集2認証評価 第4期の重要ポイント前田早苗第4期の大学評価に向けて大学は何をすべきか

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