カレッジマネジメント241号
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9242244第4期の認証評価に向けて(注1)各認証評価機関のウェブサイトに依った。(表2)も同じ。(注2)*は、方針・規程についても体制についても指摘がないのにも関わらず機能していないとされた大学。**には参考意見18大学を含む。の大学改革支援学位授与機構及び大学・短期大学基準協会は、2023年度の受審大学が少数であったため、また、大学教育質保証センターは評価基準の構成が他の認証評価機関とは異なり、①~③の要素が明示されていないため、作表しなかった。表1によれば、大学基準協会の受審大学は、日本高等教育評価機構に比して、①内部質保証の方針や規程について、②内部質保証の体制の確立について、いずれも指摘数が多い。これに対して、③内部質保証の機能性については、日本高等教育評価機構の方が圧倒的に指摘数が多くなっている。その要因の一つが、大学基準協会の場合は、①と②が万全でなければ当然③もできていないと考えているため、改めて③の指摘をしていないからである。一方、日本高等教育評価機構は、大学設置基準等の法令要件を満たしていない事項(例えば定員管理)については、該当する基準(例えば学生受け入れ)で指摘したうえで、内部質保証が不十分であるとして、重ねて指摘しているからである。ただし、肝心の③内部質保証が機能しているとされた大学は両機関ともそれほど多いとはいえない。①②に問題がなくても③で「機能している」と明言はされない状況だ。とりわけ、長所として評価された大学は両機関ともごくわずかである。大学の評価例を掲載したのが表2である。次に、かなり詳細な評価結果を公表している大学基準協会の評価結果から見える課題をあげてみよう。質保証が機能しているとする評価が少ないのは、まだ①と②をやっと整備したところで③について評価するまでに至っていないというケースが多く見られた。また、内部質保証のための体制を確立したものの、既存の会議体と重受審大学数①方針・規程に関する指摘②体制に関する指摘③機能性に関する指摘大学基準協会43大学日本高等教育評価機構70大学17複した構成の内部質保証の会議体がいくつも設置され、実際には、既存の会議体が機能していて内部質保証の会議体が形だけになってしまっている場合も少なくない。それではやっと作り上げた内部質保証システムが形骸化してしまう。自己点検チェックシート等、内部質保証のプロセスで何らかのシートを用いる大学も多い。それなりに成果が出ている大学ももちろんあるだろう。しかし、各学部・学科、研究科等の組織ごとの膨大なシートをどのような組織が分析し、いかに改善に結び付けているのか、さらにシートを作成した部署にとってどのように有意義なのかまで見通せている大学は多いとはいえない。認証評価で「評価疲れ」があるといわれてきたが、ここでも「内部質保証疲れ」が起こっているようにも思える。それでは大学は第4期に向けてどのような準備をするべきだろうか。2022年10月に、基幹教員制度の導入や単位の計算方法の柔軟化等、学修者本位の大学教育の実現に向けて、大学設置基準の大幅な改正が行われた。一方、細目省令には、新たに「継続的な研究成果の創出のための環境整備」とともに「学修成果の適切な把握及び評価」を認証評価の基準に入れることが規定された(2024年3月)。認証評価では、内部質保証に加え、学修成果を評価することが明文で規定されたことになる。大学の自由度が増える方向での改正に即して、認証評価③機能している1* 1238**18③機能を特に評価表1 2023年度認証評価受審大学における内部質保証の評価結果

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