46はじめに1. 学習成果を基軸に据えた内部質保証の重視とその実質性を問う評価2. 大学の取組の有効性・達成度を重視する評価3. オンライン教育の動向を踏まえた評価Contribution寄稿2004年から開始された機関別認証評価は、2025年度から第4期目を迎える。大学基準協会(以下、本協会という。)は、次期認証評価の方針として以下の6点を掲げ、評価基準、評価方法等の見直しを行った。1. 学習成果を基軸に据えた内部質保証の重視とその実質性を問う評価2. 大学の取り組みの有効性・達成度を重視する評価3. オンライン教育の動向を踏まえた評価4. 学生の意見を取り入れた評価5. 特色ある取り組みの評価6. 効果的・効率的な評価の実施以下、各方針について解説したい。近年、急激な少子化が進行する一方、大学進学率が一定水準で推移する中で、大学に入学してくる学生の多様化が一層進展している。入学者選抜という「入口管理」での学生の質の確保は困難な状況にあり、人材育成教育を一層充実させ「出口管理」によってそのことを担保していくことが必要とされている。また、国の高等教育政策は、「学修者本位の教育」の実現が指向されており、学生の学習成果の達成に結びつく大学教育を実施するために、大学は自主、自律を基盤とした内部質保証体制の確立とそのシステムの機能的有効性を向上させていくことも不可欠となっている。こうした背景を踏まえ、本協会は、次期認証評価においても内部質保証を評価の要とし、「学習成果を基軸に据えた内部質保証の重視とその実質性を問う評価」を目指すこととなった。本協会は、内部質保証の実質化を、「学生に身につけさせる能力等の明確化、それに基づく教育課程等の整備・実施、達成度の把握、そして教育システムの検証と改善・向上という一連の流れが適切に実現できている」ことと捉えており、こうした「一連の流れ」を、評価を通じて促進させていくことが、次期の目指すところである。従って、大学は「基準4 教育・学習」の内容を十分意識して内部質保証を展開させていくことが必要である。また、「基準4 教育・学習」では、教育システムの側面だけでなく、新たに学生の学習にも焦点を当てているのも次期の特徴である。例えば、「評価の視点」において、「授業の履修に関する指導、学習の進捗等の状況や学生の学習の理解度・達成度の確認、授業外学習に資するフィードバック等などの措置」等を付け加えた。これまでの評価では、大学の種々の取り組みに関する設定状況(インプット)、実施状況(プロセス)の評価に力点が置かれていたが、次期では、各取り組みの成果や有効性(アウトプット、アウトカム)にも焦点を当てた評価を実施する。その評価にあたっては、大学の目的や方針に照らした評価が基本となるが、例えば、「基準6 教員・教員組織」における「評価の視点」では、「教員の教育能力の向上、教育課程や授業方法の開発及び改善につなげる組織的な取り組みを行い、成果を得ているか。」「教員の研究活動や社会貢献等の諸活動の活性化や資質向上を図るために、組織的な取り組みを行い、成果を得ているか。」などを設定し、FDの効果を問う評価を取り入れた。コロナ禍の中、オンライン教育が格段と進んだが、ポストコロナ時代においても、オンライン教育は展開されていくこと公益財団法人 大学基準協会 常務理事 事務局長大学基準協会第4期認証評価の方針と特質工藤 潤
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