カレッジマネジメント241号
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51細目省令の改正への着目第4期に向けてしたのだろうか。受審大学においては評価基準への理解に努め、それに基づく真摯な取り組みが行われたものの、現時点ではその意図が十分に機能しているとまではいえない。例えば基準2はあくまでも「水準の向上の取り組み」を評価するものであり、「水準の高さ」自体を評価するものではないが、やはり大学の弱点の分析よりも、優れた成果のほうが強調されがちである。恐らく、評価に対する常識的な理解の下では、たとえ役割の峻別があるとはいえ、大学の弱点に触れるような資料を作成することに、大学組織全体のコンセンサスが得られないのであろう。そうであるならば「改善を促す評価」を機能させるためには、もっと大学の組織構造全体に働きかけ、評価の機能に対する共通の了解を作り出し、質保証に向き合う際の行動選択を変えなくてはならない。この点について本センターは、第4期に向けて行われた「細目省令」の改正に着目している。実は、評価基準の設計時において、3つに整理した評価基準への理解を得るためには、「評価機関の工夫」だけでなく、もっと強い根拠が必要と考え、それを「認証評価機関が順守すべき法令」としての「細目省令」に求めていた。表の下半分をご覧頂きたい。「細目省令」第1条第1項は、認証評価が共通に準拠すべき事項を示すが、その第1号が基準1を、そして第2号が基準3をそれぞれ根拠づけていた。ただし、基準2を根拠づける内容は細目省令には明示されていなかった。本センターの大学評価基準法令に認証評価を行うものとして定められている10の事項を、法令適合性を保証する観点から評価する。各基準の内容各基準の役割第1号大学評価基準が、学校教育法、学校教育法施行規則、大学設置基準等にそれぞれ適合していること。省令改正前基準を根拠づける枠組み 「細目省令」第1条第1項第1号大学評価基準が、学校教育法、学校教育法施行規則、大学設置基準等にそれぞれ適合していること。省令改正後基準1 法令適合性の保証判別ところが今般の改正により挿入された新たな第2号(表・赤字)が、教育研究等の水準の向上に関する枠組みとして基準2に対応したことから、本センターの3つの評価基準と「細目省令」が示す3つの枠組みの平仄が揃い、法令に即した評価として整理されることとなった。認証評価制度については、内部質保証が機能していることをどのように評価するのか等を巡って、様々な議論がなされている。繰り返しとなるが「改善を促す評価」は大学の組織構造にうまく働きかけないと実現できない。そうした観点から、実地調査についても時間差を設けた2段階で実施することにより、受審大学との対話を深め、大学組織の隅々にまで強いメッセージを届けたいと考えている。法令による整理を得て、本センターの評価基準への理解もさらに深まることが期待される。評価実績も2023年度までに49大学と蓄積されてきた。これらの流れを受けて、出発当初に文言上は削除した「支援」についても、まずは評価を行う側と受審大学との間における了解と行動選択において復活させるよう努力する。そして、当初の構想であった「大学の改善を支援する評価」の可能性を受審大学と共に探る。これが本センターにおける第4期の重要ポイントとなろう。基準2 教育研究の水準の向上大学が行う自己の水準分析の内容について、教育研究の水準の向上に資する観点から評価する。改善なし※大学設置基準第1条第3項「…その水準の向上を図ることに努めなければならない。」等で代替。第2号(新設)大学評価基準において、次に掲げる事項に係る項目が定められていること。イ 継続的な研究成果の創出のための環境整備 ロ 学修成果の適切な把握及び評価※学校教育法第110条第2項に規定する基準を適用するに際して必要な細目を定める省令。その第1条第1項には、認証評価機関が共通に適合しなければならない「大学評価基準及び評価方法が認証評価を適確に行うに足りるものであること」の枠組みが示されている。評価事項の数は当時のもの。特色ある教育研究の進展大学が行う特色ある教育研究の内容について、その進展に資する観点から評価する。第2号大学評価基準において、評価の対象となる大学における特色ある教育研究の進展に資する観点からする評価に係る項目が定められていること。第3号(旧第2号)大学評価基準において、評価の対象となる大学における特色ある教育研究の進展に資する観点からする評価に係る項目が定められていること。出典:大学教育質保証・評価センター資料をもとに筆者作成基準3 改善特集2認証評価 第4期の重要ポイント

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