56事業概観#10取組の成果リクルート カレッジマネジメント241 │Jul. - Sep. 2024て、年間600万円~1200万円の財政支援を受けることができる。また、基礎枠、文理融合基礎枠及び認定枠の指定校は、それぞれの取組に加え、高大接続、広域連携、海外連携、革新共創に係る取組を実施し、支援の必要性が認められた場合、「科学技術人材育成重点枠」の指定校として、年間500万~3000万円の財政支援を追加で受けることができる。成果としてまず挙げられるのは、優れた科学技術人材の輩出であろう。詳しくは「SSH卒業生活躍事例集※1」をご覧頂きたいが、非常に多くのSSH指定校の卒業者が、国内外の企業、研究所、大学等において第一線の研究に従事している。また、SSH事業においては、生徒を各種科学技術・理数系コンテストやコンクールへ出場させることを奨励しているが、国際科学オリンピック国内大会参加者の約3分の1、ISEF(課題研究型国際コンテスト)に出場した日本代表生徒の約5割がSSH指定校の生徒である(令和元年度時点)。さらに、SSHの取組は生徒の進路選択にも影響を与えており、理系分野の大学進学、修士・博士課程への進学文部科学省初等中等教育局教育課程課課長補佐2007年、文部科学省入省。入省後、教科書検定、修学支援、生徒指導等の業務を担当。その他、オーストラリア連邦政府教育訓練省派遣(2015年度)、鹿児島県教育庁義務教育課長(2018~2020年度)等を経て2023年度より現職文部科学省では、将来の国際的な科学技術人材の育成を図るため、科学技術、理数系教育に関する研究開発等を行う高等学校等を「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」に指定し、先進的な理数系教育の推進を図っている。その現状についてご寄稿頂いた。SSH事業は平成14年度(2002年度)から開始し、これまで数度の枠組み、支援メニューの改正を経て現在に至る。現行制度は大きく「基礎枠」及び「文理融合基礎枠」の2つの類型があり、1期当たり5年間で指定を受ける(図1)。指定校は、新規性のある教育課程等の研究開発を実施する「開発型(原則Ⅰ期)」からスタートし、各期移行時の審査を経て、「実践型(Ⅱ期~Ⅳ期)」にかけて研究開発を段階ごとに発展させながら実践していく。Ⅳ期を終了した指定校については、科学技術人材育成におけるシステム上の課題を自ら設定し、当該課題に挑戦する意欲的な研究開発を実施する「先導的改革期」へ移行する途があり、卓越した研究開発を実施することで科学技術人材育成システムを先導することが期待されている。また、Ⅲ期目を終えている指定校については、全国的なモデルとしてこれまでの実践活動を展開・普及する「認定枠」へ移行する途もある。SSH指定校は、大学や民間企業、研究機関等と連携した課題研究の実施、フィールドワーク、海外の高校・大学等との連携等、先進的な理数教育の研究開発に必要な費用とし山本 悟(やまもと さとる)による新たな価値創出データサイエンス(DS)教育の最前線スーパーサイエンスハイスクール(SSH)事業による理数系人材の育成について
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