カレッジマネジメント241号
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22244322421232577544949436764524323541358日本の科学技術人材育成をめぐる状況1311114161018果を上げている。また、霧島ジオパーク、屋久島、奄美大島といった、火山・希少生物が近くで観察できる恵まれた自然環境や、高度技術関連企業や研究所が集まる立地を生かしながら、生徒が質の高い課題研究を主体的に実践している。さらに、鹿児島大学理学部との間で単位先行取得制度を創設し、高大接続を推進するとともに、マレーシアや他県の高校生、JICA研修員との英語による課題研究の交流の実施等、国際性の涵養にも力を入れている。SSH事業は先進的な理数系教育により創造性豊かな科学技術人材を育成するものであるが、わが国が現在抱える課題から、その必要性が一層高まりつつある。まず、初等中等教育段階における理数系教科の学習到達度についてであるが、わが国は諸外国の中でトップレベルの水準を維持している一方で、意欲・関心の観点では、理数系の学習が「楽しい」と感じる児童生徒の割合は、諸外国との比較では低くなっている。国際数学・理科教育動向調査(TIMSS2019)においては、小学校は58カ国・地域中、算図2 都道府県別指定校数(令和6年度)数は5位、理科は4位であり、中学校は39か国・地域中、数学は4位、理科は3位であった。OECD生徒の学習到達度調査(PISA2022)においては、義務教育修了段階の15歳の生徒に関して、OECD加盟国(37か国)中、科学的リテラシー及び数学的リテラシー共に1位であった。一方で、TIMSS2019において算数・数学、理科の勉強が「楽しい」と答えた小中学校児童生徒の割合は、小学校の理科を除き、国際平均を下回る。また、PISA2015の生徒の質問調査では、「科学の楽しさ」、「探究を基にした理科の授業に関する生徒の認識」に係る指標は、共にOECD平均を下回る。次に、科学技術人材育成をめぐる重大な課題として、理工系分野の大学入学者数が減少傾向にあることが挙げられる。2000年以降、大学の入学者数全体は横ばいで推移しているのに対し、理工系学科への入学者割合は減少傾向にある。諸外国との比較においても、大学の自然科学(理系)分野の学問を専攻する学生の割合について、米国38%、韓国42%、ドイツ42%、英国45%に対して、日本は35%に留まる。近年、多くの諸外国が大学の理工系学生数を増やす中、日本では微減している。最後に、自然科学(理系)分野に限定されないが、人口

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