60リクルート カレッジマネジメント241 │Jul. - Sep. 2024①新たな時代を世界の人々と共創する大学 ②多摩に根差し、地域に貢献する大学ビジョン教育目標生涯にわたり自律的に学び続け、みなと協働して幸福を生み出していく人の育成①専門性や学部学科・学内学外の壁を越えた交差型学修(クロッシング) ②学部学科での専門的学修(セントラル) ③時代が要請する新たな課題の学修 ④明星大学を特色づける学修教育新構想 て、地元エリアの高校の現状や意向を細かく吸い上げながら、現場でブレストを重ね、アイデアをブラッシュアップして原案を作っていったという。「本学の学科の学びを理解するのに合わせて自己の方向性との整合性を確認し、進学目的を明確にする機会を提供することで、学びに適合した志願者を育成するという観点で入試を設計しました」と大矢氏は設計意図を語る。入試は定員を満たす手段というだけではなく、大学教育の一環であり、高校教育までで育まれた生徒のキャリア観と大学の学びを接続するための装置でもある。そのうえで、これまでの入試で獲得している層とは異なる多様な入学者を獲得するという意図もこめ、「探究学習について興味関心の高い生徒は学ぶ楽しさを知り学ぼうとする意欲が高い生徒なのではないか。そしてそれは大学教育との親和性が高いのではないか」という仮説から、そうした層を獲得するチャネルを設置する意味合いで入試を考えたという。既存のやり方では獲得できないが、明星大学独自の学修者本位の教育に馴染みやすい層を獲得するための入試の検討。そして、そうした層をどのように大学でさらに成長させることができるか、今後の大学教育を大学と共に歩みながら創り上げていく資質を備えた層を獲得するためでもある。なお、明星は同時並行で入試実務の業務効率化・システム導入も検討・実施を行っている。多様な入試設計には効率的な入試業務が必須であり、同時並行で検討していかなアドミッションセンター長大矢直樹 氏図1 大学ビジョンと教育目標本号では、入試において高校の探究を評価しようとする2つの事例をご紹介したい。明星大学は2024年度より総合型選抜「学びの探究入試」を導入した。その趣旨や背景について、アドミッションセンター長の大矢直樹氏にお話を伺った。まず、改革の背景を押さえておきたい。明星には、2020年に落合一泰学長が就任後公表した、新しい大学ビジョンと教育目標、そしてそれらに基づき学内に向けて方針として示した「明星大学教育新構想」がある(図1)。IT人材の育成とSociety5.0への対応を掲げる国の政策を背景に、大学として目指す方向性がクロッシング教育であり、時代に即した教育を掲げる以上、そうした教育改革に合う人材を入試でいかに選抜できるか。今回の新入試設置の検討において、こうしたあるべき姿という文脈があったのは間違いないが、設置の軸足として最も大きかったのは、高校の新課程「探究」導入だった。「探究学習で伸びた高校生の資質・能力を、どのように本学の教育でより成長させることができるか。高大接続教育の観点からも議論を重ねました」と大矢氏は当時を振り返る。「多摩に根差す」大学とし事例report 明星大学 学びの探究入試入試は社会へのメッセージ#10探究支援と大学改革のクロスポイントを探る今後の大学改革検討の素地となる層の獲得を目指す大学改革の素地となる探究学習層を専用の入試で獲得
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