65卒業生の存在という大きなアドバンテージをベースに分野の拡大と地域への浸透を目指す武庫川女子大学リカレント教育センターのミッションすべてのビジネスパーソンを対象に幅広くIT・DX人材を育成しまずは「愚痴を聞くだけでもいい」(高橋氏)のだという。「我々が掲げているのは『一生を描ききる女性力を』というビジョン。ですから、とにかくどういうタイミングでも、キャリアや自分の人生に悩んだら、まず最初に連絡する場所になりたい。今は愚痴を聞くだけでも、5年後、10年後は分かりませんから」(高橋氏) 提供する講座については、株式会社ワークアカデミーが展開する講座から企業へのリサーチ結果をもとに再編集。さらに専任教員によるDXスペシャル講座などを利用状況を見ながら加えている。昨年10月には法人向けに経済産業省「デジタルスキル標準」に準拠した「DX人材育成プログラム」をリリース、西宮商工会議所による令和6年度人材育成補助金の対象となった。受講修了者へのデジタルバッジの発行も開始。「安定運営のためにも、常に集客と収益性を意識しつつ、今後も新たな取り組みを続けていきます」(高橋氏) こうした取り組みが、大学全体の価値向上につながってきているという。「保護者に向けた説明会や附属の中学・高校で紹介されるなど、『生涯にわたって寄り添う』という姿勢を示すセンターの存在が大学のアピールポイントとなってきています。今年度からは、新入生の必修科目である初期演習でも紹介されるようになりました。『卒業後も安心して相談できる』、と」 「学内への急速な浸透は、西宮北口キャンパスの取得で学院の本気度が全学に示されたこともありますが、理事会や職員の部門長会議、FDの場などでの各所への頻繁な活動報告の効果もあるでしょう。数字だけではなく、(プライバシーに配慮しながらではありますが)どの学科の卒業生からどんな内容の相談があったかなど、具体的なケースも共有。それぞ図1 「武庫川女子大学リカレント教育センター」概念図(取材をもとに筆者作成)れの教育内容の改善に役立っています」(高橋氏) 現在の利用者は20代・30代の卒業生が中心だが、今後は、総合大学の強みを生かして分野を拡大、より上の年齢層、さらには卒業生だけでなく性別問わず全てのビジネスパーソンへと利用者数・受講者数を伸ばしていきたいと高橋氏は言う。 「商工会議所との連携、経済産業省事業の指定などで卒業生以外の申し込みが増え、講座受講者については5割が非卒業生です。5月からは利用企業への西宮商工会議所からの助成もスタート。地域に開かれた年齢・性別関係なく利用してもらえるキャンパスを目指しています」(高橋氏) トップがはっきり方針を示し、丁寧な外部環境のリサーチと保有する資源をもとに明確に戦略を策定。組織外の資源を有効に活用しながら、具体の取り組みについては現場に思い切って権限を委譲し、組織として支援していく…。『MUKOnoa+』の取り組みは、まさに先進企業の新規事業戦略だ。 「本学が輩出している卒業生は毎年約2300人。ロイヤリティが高い将来の利用者がコンスタントに増え続けるわけで、それは一般の企業では考えられないアドバンテージ。感謝してやっていかなければと思っています」(高橋氏)(文/乾 喜一郎 リクルート進学総研主任研究員[社会人領域])名称MUKOnoa+(ムコノアプラス)開設主体武庫川女子大学 リカレント教育センター提携先株式会社ワークアカデミー(資格とキャリアのスクールnoa)、株式会社りそな銀行IT・DX分野を中心に仕事に必要なスキルに特化した講座の提供、および、転職・再就職先の紹介まで見据えたキャリア支援を二本柱に展開する社会人教育機関概要講座形態オンデマンド、リアルタイムオンライン、対面講座など各講座の目的に合わせ、受講者が選択開設拠点西宮北口キャンパス(兵庫県西宮市)受講を機にDX人材としてのスキルアップを目指す社会人対象利用人数講座受講者 のべ403名 (2023年4月~2024年3月実績)キャリア相談 のべ921名(2023年4月~2024年3月実績)https://nishikt.mukogawa-u.ac.jp/mukonoaplusURL外部環境のリサーチ西宮北口キャンパスの取得卒業生アンケート企業へのニーズ調査先行大学へのリサーチ大学による予算・人・時間についての組織的なサポート「IT・DX」「キャリア支援」に特化キャリアアップや成長分野への移動を支援することで地域への人材供給に寄与する後発ゆえの「差別化戦略」まずは卒業生にアプローチ戦略の策定学外パートナーとの協働「一生を描ききる女性力を」というビジョン20万人以上の卒業生学内リソースの限定大学の状況学内への密な進捗共有
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