カレッジマネジメント242号
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16ロボット分野にICTからアプローチする大学の独自性有効な産学連携を実現するのはマーケット視点のコーディネーターロボット・ICT人材育成支援学生養成研修会津大学は1993年にコンピュータ理工学部単一学部で開学し、2023年に30周年を迎えた。国際化・高度情報化社会が進展するなかで世界的視野を持ち、将来の情報科学を担い、発展させる人材の育成を掲げて教育研究活動を行っている。同大学は、公益財団法人福島イノベーション・コースト構想推進機構が主催する「大学等の『復興知』を活用した人材育成基盤構築事業」の採択事業として、福島ロボットテストフィールド(RTF)を拠点に「若手人材が輝くロボット・ICT人材育成プログラム」を展開し、福島県の次世代産業を担う人材育成を企業等と連携して行っている。その趣旨等について、復興創生支援センター特任教授で統括プログラムマネージャーの屋代 眞氏にお話を伺った。「本学はICTの専門大学で、学生は1年生からプログラミングを徹底して学びます。そこから、情報工学をコアにして半導体、ロボット、AI、宇宙、医療といった多様な領域に専門分野が広がっています」。ロボットに本格的に注力し始めたのは2015年、福島県からの要請を受けてのことだ。「県として、震災復興の柱の1つに次世代ロボット産業振興を置くことが決まり、それ以来、本学も産学連携でのロボット研究を進めつつ、ロボット産業振興や人材育成に取り組んできまし若手人材ロボット技術演習た」と屋代氏は経緯を説明する。ロボット分野における会津大学の特徴は、「ロボティクスにICTの立場でアプローチする」点だ。ロボットは機械工学と考える人が多いが、その中身は材料工学、電気電子、ソフトウエア、AI、データサイエンス等多岐にわたる。「近年は搭載するソフトウエアの重要性が増し、ロボット同士を協働させるネットワーク構築や遠隔操作といったニーズも高い。ものづくりの観点からアプローチする大学が多いなか、本学はロボティクスをICTの応用領域と捉え、ソフトウエアの観点からアプローチすることに価値創出の軸足を置いているのです」。大学として強みを発揮できる社会貢献のフィールドを明確に置いている。その社会還元の1つが復興知事業というわけだ。多様な学問の集合体であるロボットは、多様な専門家が協働して作り上げるプロジェクトであり、産学連携が大前提である。屋代氏が務める統括マネージャーは大学における産学連携のリーダーだ。研究の事業化とその推進のための調整役を担う。屋代氏は日本IBM株式会社で製品開発等に携復興創生支援センター特任教授統括プログラムマネージャー屋代 眞 氏高校でのPythonプログラミング演習会津大学次世代産業研究と振興人材育成を担う「若手人材が輝くロボット・ICT人材育成プログラム」

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