20─要諦②には、企業側のニーズを理解し、大学ならではの提供価値を訴求して企業とwin-winの関係になる契約方法を模索することと、その際の訴求ポイントとして、「人材」「施設・設備」「コスト」の3つが例示されています。企業とwin-winの関係になる契約を結ぶために重要なのが、「企業は何を付加価値に思えるのか」について考え、提示することと、その付加価値をしっかりと金額に反映することです。例えば、大学の施設・設備を使えること自体が企業にとってプラスであるにも拘わらず、その費用を金額に反映していないケースや、研究者・コーディネーターなどの人件費を安く設定してしまっているケースが見られます。「お金の話をするなんて節操がない」と考えるのではなく、「付加価値に見合った金額を頂く」ということをしっかりと示すことが重要です。他方で、企業からは、「何にどれだけお金がかかっているのかいまいち分からない」という声を聞くことがあります。大学は、勘定科目ごと、あるいは目的・用途に応じた費用を明示し、金額の理由・背景を企業に説明することも大切です。─要諦③には、プロジェクトの運営中、トップ層を定期的に巻き込んで透明性の担保と意思決定のスピードアップを図るとともに、現場レベルでは密に対話を重ねて信頼関係を構築することが示されています。プロジェクトをうまく進めている大学では、企業側の社長や役員クラスの方が定期的に進捗確認を行っているケースが見られます。企業にとって億単位のプロジェクトの進捗確認は当然のことですし、大学からすると、社長や役員クラスの方とのディスカッションの機会は研究に緊張感を持たせます。また、トップの関心のありかや目指しているビジョンについて対話することで、研究者の目線や研究の質も自ずと上がってきます。特に大規模な産学官連携にはこういった「投資対効果」を意識する緊張感が必要です。そこまでの規模でなくとも、企業トップにとって有意義な場であるという感覚ができてくれば、企業の投資意欲も向上すると思います。同様に、現場レベルでも高い頻度でコミュニケーションをとることも、非常に重要なポイントです。要諦②企業とwin-winの関係になる契約方法の提示要諦②要諦③トップ~現場まで密に連携できる体制を構築要諦③
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