カレッジマネジメント242号
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22─要諦⑥、⑦には、「知」の収益化に向けて研究者が提供するべき要素として「卓越した研究力・『知』のアセット」が、URA・職員が提供するべき要素として「事業化の支援体制」が示されています。研究者については、私たちが言うまでもないことではありますが、しっかりと研究実績を出していきましょうという話です。また、「世界で見てもこの大学にしかないデータが◯年分揃っている」といった、民間企業や他大学と差別化できる要素があることも重要です。ただし、これらは研究者だけで実現できることではなく、URAや職員といった研究者の右腕となる人々や、研究者とは異なるビジネス目線での付加価値などを考えられる人々による支援体制も重要になってきます。必要に応じて外部人材の獲得も検討しましょう。また、組織強化は一朝一夕にできるものではありませんから、まずは小さくてもいいので産学官連携組織を立ち上げ、時間をかけて拡大していくことが重要です。現状は外部人材が豊富とは言えないため、場合によってはポスドク(博士研究員)にURAになってもらうような工夫もしながら、外部からの採用と内部での育成の両面から取り組んでいく必要があるでしょう。加えて、これらの人材に報いる人事制度や、給与面の財源確保も重要です。─要諦⑧には、産学官連携を全学的に推進・拡大していくための制度・仕組みとして、「研究者、産学官連携部門の職員への金銭的/非金銭的なインセンティブ」「自学の強みを分析・理解し、戦略的に組織強化・大型案件獲得を推進」の2つが示されています。金銭的なインセンティブとしては、外部資金を獲得してきた研究者やそれを支援したURAには、給与に反映して貢献を認めるといったものがあります。また、非金銭的なインセンティブも重要です。例えば、得られた外部資金を次の研究に使いやすくするといった柔軟な予算配分ができる仕組みや、教育には携わらず研究に専念するリサーチトラック、若手研究者がスター研究者から外部資金の獲得手法や企業との関係構築の手法を学ぶ場、URAをはじめとした職員の無期雇用への転用制度や早期昇進制度などが挙げられます。そして、組織強化のためには、自学の強み・弱みの分析や大型案件の獲得に向けた体制整備、業界動向をふまえた候補企業・組織の検討、そして、戦略実行後の振り返りを継続的に行っていくことが重要です。要諦⑥社会実装への意欲を持った研究者に事業化に向けた支援を提供要諦⑦研究企画~知の収益化まで 一気通貫で支援する体制の構築要諦⑥・⑦要諦⑧全学的に産学官連携を推進・拡大していくための制度・仕組み要諦⑧

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